【山田監督新作】「リズと青い鳥」キービジュアルについての雑考

さて昨日、来年4月公開予定の山田監督の新作「リズと青い鳥」のキービジュアルが発表され、またそれを使った予告動画もアップされました。かねてより告知されていた「響け!ユーフォニアム」の外伝的作品「みぞれと希美の物語」が本作であるようです
しかしこの作品のキービジュアルにその原作のカラーは絶無です
 
 
自分はこれ(動画ではなくキービジュのみ)を見た第一印象を以下のようにツイートしましたw
 
liz01.jpg 
  
一見して芸術性が高く、そして作家性が非常に強い、まるでヨーロッパ映画のポスターのような抽象的なキービジュアルだと思います
こうしたイラストで勝負をしてくるというのは、山田監督の本作に並々ならぬ覚悟、信念、そして挑戦とこの作品を見るであろうファンたちへの信頼を感じずにはいられません。そしてこれは先述の通り、「響け!ユーフォニアム」のカラーを完全に消したもので、そこから見て、この作品はユーフォニアムの設定を借用しただけで、事実上の山田監督のオリジナル作品なのだろうことが想像できます

因みに自分は「響け!ユーフォニアム」は第一期で挫折しました…ていうか第二期の録画、録画数上限でテレビが勝手に削除しましてですね…すいませんw
 
というわけで、以下、キービジュアルについての現時点での雑考をしていきます
 
■ タイトルについて

「Liz und Ein blauer Vogel」というドイツ語のタイトルが併記されています。なぜドイツなのか。というところも色々想像をかきたてられますが…現時点ではなんとも判断しかねます。とりあえずちょっと調べてみました

リズ:エリザベスの愛称です
ギリシャ語の「Elis(s)avet」に由来し、もとは旧約聖書の登場人物でアロンの妻にあたるエリシェバ(Elisheva)から来ている。ヘブライ語でエリシェバのエリは「わが神」、シェバは「誓い」「維持」を意味し、あわせて「わが神はわが誓い」「わが神はわが支え」となる。また、バプテスマのヨハネの母エリサベトにもちなんでいる(wikipedeiaより)

青い鳥(Ein blauer Vogel):メーテルリンクの童話「青い鳥」より「幸福の象徴」と理解できます

なお、このタイトルについては原作者の武田綾乃氏が以下のようにツイートしています
 
liz02.jpg 
 
なので、原作後編もチェックしないといけませんね
因みに公開中の映画を見てないので、パンフレットにはなんか情報があるようなのですが、そっちもまだチェックしてませんw
 
しかしなぜ接続詞が「と」なんでしょう
「リズの青い鳥」ではない。「リズと青い鳥」つまりこの2つは並列表記される、対等な関係性をもっていることになります。本作は先だって「みぞれと希美」の物語であるということが発表されていますから、そのふたりのことなのは想像がつきますが、どちらがどちらなのか…あるいは入れ替えても解釈できるものなのかもしれません
ここらへんも注目すべきかと思います
  
■ 動物たち

さて、キービジュアルの中には青い鳥の他に少女。そして奥の池に水棲動物と、対岸に2匹の小動物(ウサギ?)、白馬?がいます。イラストが抽象的で、この絵からそれぞれの動物が具体的に何であるのかを読み取るのは断念しましたw しかしこれらにもおそらく意味があるでしょう

タイトルのドイツ語から、有名なドイツの童話、グリム童話について、関連しそうな情報を調べてみました

池にすむ水の妖精

プリンス・チャーミング

うん。わからんw
 
■ 花と花言葉について

イラストには多くの花が描かれています。監督の過去の劇場作品がそうであったように作中の花には花言葉にちなんだ寓意があり、このキービジュアルにおいてもおそらく花とその花言葉が作品のカラーを推察する手がかりになると思われます

というわけで、可能な限りで調べて、幾つかの推察をしてみました
あくまで推察で、以下、ほぼ確信しているものは「●」。イマイチ確信が持てないものは「○」にしてあります。特に気になった花言葉は色を変えてあります

最も目につくのはタイトル脇の青い花、そして手前の黄色い額線を飾るスズラン、そして白樺の木でしょう。これらは特に主題にかかわると思われます。また題字を飾っている青、黄色、白の花が怪しいです
個人的にはこの枠を作っている奇妙なスズランが最も重要なキーアイコンに思われます

●スズラン:「再び幸せが訪れる」「純粋」「純潔」「謙遜」「平穏」

●シラカンバ(白樺):「あなたをお待ちします」「光と豊富」「忍耐強さ」

タイトル脇の青い花はよくわかりません。忘れな草ではないかと思います

○ワスレナグサ?:「真実の愛」「私を忘れないで」

下部、右側の花芯が黄色でピンク色の花弁の花はマーガレットのように思われます
(ガーベラとは葉っぱの形が違うっぽい…)

●マーガレット:「恋占い」「信頼」「真実の愛」(ピンク)

マーガレットの開花時期は春(スズランも)なので、他の花も春の花と考えて良いと思われます

少女の手前の白い綿毛はよくわかりません。タンポポでしょうか

○タンポポ?:「離別」(綿毛)※4月でも綿毛は現れます

ちなみにこのふたつの花は山田監督の前々作「たまこラブストーリー」でもキーアイテムとして登場しています。

下部左側の青い大きな3輪の花はよくわかりません。プリムラのように見えますが…(青い大きな花弁で、花芯がこんな大きな黄色いのって検索しても意外と出てこない…)

○プリムラ?:「青春のはじまりと悲しみ」(プリムラ全般)

ただ、青い花は西洋では一般に「悲しみ」を象徴しているとされています

下部、左側奥のたくさんあるピンク、紫の縦に咲く房状の密集花はルピナスに思われます

○ルピナス?:「想像力」「いつも幸せ」「貪欲」「あなたは私の安らぎ」

よく似た花でムスカリの可能性もあります。紫のムスカリも特に「悲しみの象徴」として知られます

○ムスカリ?:「失望」「失意」

またベロニカにも似てます。

○ベロニカ?:「忠実」「名誉」

下部左側の1輪の白い花。これはイチゴっぽいです

●イチゴ:「尊重と愛情」「幸福な家庭」「先見の明」「あなたは私を喜ばせる」「誘惑」「甘い香り」「先見」「無邪気」「清浄」「甘い乙女心」「成果を上げる 葉」「誘惑」

その手前の白く密集して咲く花はよくわかりません。コデマリかも

○コデマリ?:「優雅」「上品」「友情」

その中に2つ紛れているオレンジ色の小さな密集花。これは本当によくわかりませんw

下部中央の、赤い小さな花?はおそらくデイジーでしょうか
この赤い花は少女が左手に持っている赤いものと同じではないかと思います

○デイジー?:「純潔」「美人」「平和」「希望」(全般)「無意識」(赤)

これらの情報と、動物の情報、そして動画のMC(「あなたは自由になるべきよ。そのしなやかな翼で、どこまでも高く、翔んでいけるはず」)をあわせると、どうも「檻から幸福の象徴(愛情の対象?)を解き放つ、その別離と悲しみ、そしてその帰りを待つ希望の物語」みたいなイメージが浮かび上がってきます。はてさて?
 
■ 色について

上記の通り、「青い鳥」は幸福を、「青い花」は悲しみを表しています。この対象的な情報を「青」という色が象徴しているわけです。本作ではタイトルにもある「青」という色が最重要なキーカラーになるのはおそらく間違いないと思います

また、スズランと池の向こうにいる動物、白樺の「白」も印象的です。そして右手前のピンク、ポイントの黄、全体のトーンの緑と、この辺も何かしらの意味を持つかもしれませんが、アレもこれもというのもなんか変なので、自分は特に「青」と「白」、そして特に題字に使われている「黄」に注目してみようと思っています。この3色には多分、なにかしらの際立った、強い意味が与えられているだろうと推測します
 
■ 池=水が象徴するものについて

「たまこラブストーリー」「聲の形」と2作続けて、自分の読解においては「水」は「異界」の寓意であり、特に「死」と強く関連付けられていました本作でも「池」が描かれていることは重要な情報だと思います。今回も生死に関わる話が出てくるんでしょうか? 前2作を通じて、山田監督は「水=死=終末・終局」という位置づけをしているのではないかと自分は考えています。今回は果たしてどうなのか。なんにしても「水」は極めて重要で印象的な装置として機能すると思います

またもう一つ重要な情報があります
「たまこ…」「聲の形」でも多くの場面で水は川として登場し、転じて「時間の流れ」「過去と未来」を象徴するものでもありました。しかし今回はズバリ「池」です!(「聲の形」でも学校と葬式、そして将也が落下した場面で出ていますが)。つまり水は流れていません。これまでの解釈に照らせば、本作は「モラトリアム」や「停滞」もしくは「現在」「(悩みや苦痛などで)止まった時間」という意味ということになり、そういう状況での物語が描かれる可能性があると思います

■ 今回の「橋」

さて、過去劇場3作において常に登場してきた「橋」
「橋が象徴する物語」としての山田尚子作品論を唱える自分としては、今回のキービジュアルは「外してきた…」という感想なわけですが…いやまだ見てみなければわからない!w この池に橋を架けるかもしれないじゃないか!…というわけで、作中の情報としての「橋」には相変わらず注目してみようと思いますw
でももう4作目ですし、これまでのメソッドから離れることを考えていてもおかしくないので、そういうことも含めて、今回はきっと挑戦作、野心作なのだろうな、と個人的に推測し、期待しています
 
とりあえずこんなところで。久々のブログ更新でしたw
 


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