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アニメスタイル003 たまこまーけっと山田監督インタビュー感想

というわけで、放送終了の翌日の本日、amazonからアニメスタイル003が届いたので、早速、山田監督のインタビューを読みました。2/6に取材されたものです。ちなみにインタビュー中の記述から、2/4に最終回のコンテを切り終わったことがわかりますw というわけで、簡単に感想とレビューなど
 
as03_20130328182536.jpg
表紙はたまこまーけっと。結構分厚いムックですw
原画 堀口悠紀子/彩色 下浦亜弓
 
【記事構成】
P16-17 総扉・リード
P18-27 山田監督インタビュー(半分はアニメのグラビアページ)

 
えー、感想をいいますと、ミーハーなインタビューだなーという感じですw まあ、ミーハーは言いすぎかもしれませんが、アプローチ的にあまり踏み込んではいない印象です。インタビュアーが自分の作品理解や価値観を監督にぶつけて言葉を引き出していくCUTのインタビューと比べると、やはりミーハーだなあという感想になってしまいますw
過去のインタビューを読んでいれば、演繹的におそらくこういう回答が来るであろう、と予測できる質問をしていて、その通りの答えがかえってくるので、読んでいてニヤニヤします。でも、ところどころ、その質問はちげーだろ!と突っ込みたくなるインタビュアーの理解(特にけいおんに対して)もあったりしたんですが、まあそのへんは飲もう。今更だ。アニメ畑のインタビューなんてこんなもんだし!(すげー偉そうw)

小見出し毎にみていくと、最初は演出論について、けいおん(とは言わず「前作」と書いているけどあんまり意味ないw)との比較でアプローチしていく流れですが、んー、たまこまの話した方が。過日の
藤津亮太氏の評論でも思ったけど、ずるいなこのアプローチ、自分はそれやるのこれからだよ!っていう…まあそれはともかくw ここらは特にまあ、そういう回答が来るよね、という感じ。続いてたまこまについて「ガールズアニメ」というところからアプローチしていくんですが、当然これは山田監督にとって本意でない。こういうわかってねえ質問ぶつけるところがもうダメなんだよなあ…あ、ダメっていっちゃったw このパートが特にミーハーというか、わかってねーよコイツ!というか、イライラを感じる流れでした。スタッフ(つか石原さん)について触れていくくだりは面白かった。ベテランの三好一郎(木上益治)さんに言及するところはさすがの着眼ですか。続いてたまこまがアニメ的作りになっているという指摘は、まあ見ての通りそうだよねという感じで。ここらも上記したようにその通りの答えが来る内容なので、ニヤニヤします。堀口さんについてはわざわざ小見出しひとつ使っているのですが、このくだりはCUT2月号の補足記事として読むと良いかと思いますw

いろいろボロクソにいっている気もしますが、決して悪い内容ではありません。推察され、ほぼ確信されていた山田監督の認識について、はっきり言質を引き出している、再確認、答え合わせになるインタビューにはなっています。そういう意味では、記録としてゲットしておくべき内容だと思います
たとえば、彼女がアニメを実写的にとっていることなどはとっくにCUTで言及されていることですが、これを改めて言っていますし、けいおんでは空気を撮ることにウェイトをおき、たまこまではそれを踏まえつつアニメ的な方向にウェイトを置いていること(これも見ればわかることですが、デラの存在がそうさせていることにも触れている)、たまこまはその両者をブレンドした作りで、従来の(けいおんでの)実写的な映像、空気を撮るという方向性は意図的に第一話冒頭とEDに集中させたこと(自分がまっ先にEDが好きになったのはやっぱりこういうことか、という納得があったw)、たまこまではたまこまが往年のアニメを意識した作りになっていることなど、ですね。まあこのへんでニヤニヤして、ああやっぱり。ああそうだよね、という感じで読めましたw

というわけなので、いったように個人的に新鮮味があって興味深かったのはどちらかというとスタッフ(ほとんど石原さんですがw)について言及されているくだりで、そこに読み応えがありました。実はこれもCUTなどで過去に触れている題材ではあるのですが…最近はスタッフ論の方に興味がいってしまうので、山田監督が他のスタッフについて語る話って好きなんでw ここは買って読んだほうが良いかなと思うので、触れません

というわけで、なかなかおもしろかったです。まあまあの満足度でしたw
…いやまああの、公平に見て辛めの事を書いてる気がしますが、CUTを読んじゃうとね。どうしてもねやっぱ…w
 
他のアニメの特集記事も充実していますし、買って損のない一冊だろうと思いますw
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テーマ : たまこまーけっと
ジャンル : アニメ・コミック

【たまこま】 たまこまーけっと 最終回第十二話 感想

と、いうわけで「たまこまーけっと」終了しました!
最終回は実に濃厚な内容でしたw 23分とは思えない内容の濃さで、満足感が大きかったです!
で、この記事の前に、最終回直前考察記事を読まれることをおすすめして、では最後の感想へ
 
【メインスタッフ】
脚本 吉田玲子
絵コンテ 石原立也
      山田尚子
演出 石原立也
作監 池田和美
作監補佐 植野千世子
       丸木宣明
 
【印象】
・おお、初めて前回のラストからそのまま繋がってるぞ!w
・ていうか、意外と王子様、身長が高かった。たまこより低いのかとw
・わかってもらえないデラさんw
「時が何かを変えるのか」は意味深ですな
・黒服の人…っつーかもち蔵www
・まるでお見合いだなw
・王子がもちを食べるシーンで、チョイまで反応をうかがうのが笑えるw すっかりたまやの一員だなw
・豆大さん得意顔w
・メチャwww
・お姉ちゃんのこと迎えに来たって、もうそこまで話がwww
・眼の下にクマ…もち蔵…
・「しつこいな」で終わっちゃうんだw
・こういう盛り上がり方は女の子たちっぽいw
・しかしすっかり人生設計とかの話にw
なんか前回から豆大さんとデラさんの掛け合いがいいなw
・商店街の人々の質問構成っつーか、来訪者はみんな注目の的って、この社会には新陳代謝がないのかw
・マネージャーチョイちゃんw
・動揺してる。たまこ動揺してるよw
・シャッター街だあああ!w
・商店街の変異に不安になるたまこ。たまこはこの世界と強く繋がった存在だからですね
・母親の時を思い出したか…
・みどりよりもデラが先に飛び込むのは重要
・みんなに愛されるたまこ、というかたまこがこの世界の御柱なのだろう
・うん。そこが重要だw
・なんだこのアイキャッチw
・おおー、こういう構成やるの珍しいw
・たまこの身の上談。彼女が何者であるかという総括
・魔法のバトンへの未練がバトントワリングになったんだな
・糸電話はみちこさんの作ったものだったのか!
この世界のこれまでの蓄積。この世界との絆であり、彼女の根
・デラはたまこを思うがゆえに、彼女と世界を切り離すことを是としない
・たまこが自分でちゃんと断ったw
・チョイ様…それは…それは…w
ほーらチューベローズが理由ですよ!8話からずっと出てましたからw これは的中w
・土台から崩れたw
・みどり、もち蔵w お前らくっつけよwww
王子様はこの世界に取り込まれない。これも重要
・帰っちゃうんだ
・チョイちゃんは家族みたいなもの
・クマは緑のだいすきなもの
・かんなw
・それはやめとけw しかしメダルはどう捉えるべきかな
鶴。11話で折っていたもの。日本の伝統文化
チョイの首筋にも印がある? 印があればいいな? どちらとも取れる
・王宮気になるw
・ターキーw
・こういうたまこは初めて見た。変わったのか? デラとの距離感か
・にぎにぎしい商店街の全ての場所にデラさんがいるなあ
・デラさん、出て行くんだ…
・この辺りが暖かかったは、cutの監督のインタビュー思い出すな
・デラさん…あんた…それは…w
・花屋さんもあの…w
もち蔵、初めてプレゼントできた!ああこれヘタレなりの成長?変化?w
・というわけで、デラさんはたまやに帰る。デラは家族なんですなw
・ちっとも変わらぬものもある。いやそれは変わったこと、なのだけどねw 
・おしまい
 
【映像】
おいといてw

【花言葉】
チューベローズ/危険な楽しみ・冒険
チョイの判断の決め手になったもの。シリーズを見返してみると、8話から登場していて、10話ではチョイがたまこの香りに気づくシーンで、チョイの顔から化粧台のチューベローズにフォーカスが移るという決定的な演出までありましたw
というわけで、前回の感想から推察していたとおりの展開でしたw

他の花については…まあもういいかな。他の方に任せよう…w
見返していて気づくことがあったら書き足しますw

【チェックポイント】
・たまこの独白
たまこがどういう環境で育ち、どういう絆を世界と持っているか、という話
すなわち、北白川たまこは何者であるか。彼女を育んだまさしくこの世界の一部であるということ

・商店街に取り込まれない王子
王子は、デラ、チョイと違って、あくまで己のアイデンティティを自分の国に持つ

帰っていくチョイは「家族のようなもの」。ならば、残るデラはもはや「家族」であること
まあ、そういうことかとw

・メダルが象徴したこと
これは、たまこにとって日常の終わりではなかったんですね。変化を予感させミスリードさせるためのギミックであって、終わってみれば、彼女がこの世界でメダルを受けるべき、そういう象徴的存在である、という記号だったということになろうかと思います

・チョイがたまこにあげた折り鶴
チョイが日本の伝統文化を象徴するものをたまこにあげるのは、たまこがそういう存在―過去から伝えられてきたものの上にいる存在であることを象徴していると思います
 
【感想】 変化を飲み込むお餅のような世界。魂の帰属する場所
 
直前考察に書いたとおり、この作品におけるたまこの存在とは、世界観の象徴です。最終回を見て、この仮説はほぼ確信に変わりました。たまこは世界を体現する存在、世界を象徴する存在として、この作品の中で位置づけられてきた。それがこれまで感じていた、彼女に対する不透明な背景、希薄な存在感、他者と化学反応、化学変化を起こさない泰然、超然とした姿であることの理由だったのだと思います。彼女はこの作品の社会、世界そのものを体現した存在なのでしょう

そこに変化が訪れた11話。それは周辺の、社会、世界の変化として訪れ、世界を象徴するたまこに襲いかかる
果たして、世界の象徴、御柱であるたまこは「変わる」のか、もしかしたら彼女に恋愛が訪れるのか?というところが個人的に最終回の見どころだったわけですが…

結果としては、変わりませんでした

ただし、これを単に「変わらなかった」というのは短絡的な理解だと思います
それは、彼女の長い独白によって語られたように、彼女が変わらなかったのは、彼女が彼女の生まれ育った環境、人々、出来事…つまり、彼女のともいうべき、時の蓄積に裏打ちされた世界との絆が理由だったからです。そしてデラはそのたまこの独白を聞いて、たまこをこの世界から切り離してはいけないと決心し、王子にたまこのことを諦めるように頼みます

つまりこの作品は明確に、人が帰属する社会、蓄積、伝統というものの価値を訴えているのです

彼女は「変わらなかった」。しかしそれは文字通りの意味ではないのです
彼女を取り巻く環境は微妙に変わっているし、彼女の認識も変わっている。変わることを考える出来事があった。ざわめきがあった。しかしそれら全てが結局は、彼女の世界の出来事の中に回収され、吸収され、何事もなかったように「変わらなかった」。いうなれば、大河に小石を投げ入れ、波紋が水の流れとともにかき消えていくように「変わらなかった」。お妃騒動のこと、そしてこの一年のこともすべて、この世界の中で起きた出来事、ひとつの記憶として、この世界の「蓄積」になった。これまでの蓄積、世界の深みが、すべてそうした些細な出来事を飲み込んで、変わらなかった

過日ツイートしましたが、藤津亮太氏がこの作品について朝日新聞によせた評論で、彼はこの作品の時空の広さについて指摘していました。それを踏まえて言うなら、この作品は、「今」の価値を描いた「けいおん!」よりも、長いスパンの時間、広い世界の出来事に物語の焦点を置いていて、その長大さ、広大さの中で、今、その時の「変化」をただの「蓄積」として吸収していく、そういう「世界」の強靭さ、そして世界の優しさを描いていたと思います。人が生まれる前の過去から積み重ねられてきたもの、そして今も積み重ねられていくものが、全て「あなたの世界」に回収されていく、この作品は、そういう価値観で描かれていた。また、それがこの作品がたびたび、日本の伝統文化をインスパイアさせていた理由でもあるのでしょう。たまこの母親が失われた悲しみが描かれなかったのも、それがこの世界が回収した蓄積の一つに過ぎず、おそらく、そういう悲しみすらも、たまこを作ったこの世界の一部であるからに他ならない

まとめて言うなら
この世界は、強くて豊かで、すべての変化を包む
―そう、お餅のように― 優しい世界であればいいと
そして人は、そういう自分の根から離れて生きていくべきではないと

この作品が描いたことは、監督が込めたメッセージは、
つまりそういうことだったと思うのです


そして確かに、北白川たまこ、という存在は、この作品世界の象徴としてそういう選択をしたわけです

最後に、ひとつ不満をいうなら
やはり「everybody loves somebody」のキーワードを反映して、最終回はたまこに恋愛フラグを立たせてやって欲しかったですねw ドラマツルギーに反してたんじゃないかい?というw …まあ期待の範囲でしかなかったんですけどねw
この作品は、そういうせせこましいタイムスパンを描く作品ではなかった、ということですかねえw


まあ、最終回直前考察ができてよかったです
おかげで最終回の前に、この作品と握手ができましたw
こうして理解してみると、改めてものすごい着眼点で描かれた作品で、山田尚子は異能、異才の人である、という認識を強くしています。賛否、是非、評価はともかくとして、おそらくこんな着眼で、こんな作劇の作品を作れる人は、彼女だけでしょうね
彼女の次回作がとても楽しみです

まあその前に、またけいおん!とたまこま、見返さないといけませんがw

以上です!

終わりよければすべてよしということで、「たまこまーけっと」楽しませて頂きました!
山田監督、スタッフ、キャスト、関係者の皆様。どうもありがとうございました!!!
(2013.03.28 記)

■ 追記

直前考察で、この作品はたったひとつの変化を描くのではないか?と書いたのですが、当たりでした
ただしそれはたまこの恋でなく、デラという存在が、たまこの世界の一部になったことでした。大外れw

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【たまこま】最終回超直前考察 たまこについての理解と作品構造

というわけで、最終回最速放送まであと2時間というところで、この記事を書いています
この記事は、一昨日からたまこまーけっとを1話から11話までぶっとおしで見返してみて、改めて作品から得た気付きと感じたことに基いて、たまこまーけっとという作品について再考、再評価してみたものです
主に一昨日、twitterでツイートした内容の加筆再編集の内容ですが、とりあえず最終回前にアップしておこうと思って記述します。時間があまりないので言いたいことを全て言えるかわかりません。頭のなかでまとまっていないこともあるので…
とりあえず書いてみます

■ たまことは何者か

これまで過去の感想で度々記述してきたように、この作品における最大の疑問であり不満点は、たまこという少女が主人公でありながら、他者と関わっても変化や成長といった化学変化を起こさず、超然として、一種非人間的な存在であることでした

通常、主人公というものは、物語のドラマの中心にあり、状況に置かれ、あるいは影響を受け、そこで価値判断を行い、行動し、事態を回転させていく、作品のリーダー的な存在です。ですが、この作品においてたまこがそうした主人公らしいアクションを取ったことは、3話での史織に対するアプローチや、7話でのチョイへのアプローチ、9話でのあんの恋の後押しをした場面くらいしか思い当たりません。なぜ彼女は主人公として期待されることに対してこうも存在感がないのか
また、彼女自身のメンタリティについても、あまり掘り下げられていません。彼女が誰に対しても友好的で、社交的で、餅マニアで…ということは描かれているのですが、それは客観的なアプローチで、しかも人間的な弱さのようなもの、影のような裏側がまるで見えない。そのことがまた、彼女を非人間的な存在に見せてもいました

で、改めてシリーズを見なおして気づいたことは、この作品はたまこに注目してみると、作品を見誤るということでした
極論すると、たまこを無視してみたほうがいい。たまこが主人公であるということをひとまず忘れて、作品全体の流れ、出来事をあるがままに見ると、サブキャラクターたちのコメディとして、その心の機微も含め、すんなりと心に入ってくるのです

それはなぜなのか? なぜたまこは作品理解の足をひっぱるようになっているのか?
その上で、たまことは何者かを改めて考えてみて、自分はひとつの結論を持つようになりました
それは、この作品におけるたまことは、世界観の象徴なのではないか、ということです

過去の感想で自分は、たまこについていろいろな言葉で表現しました。「狂言回しである」「商店街とキャラクターが被っている」「存在感がない」等々…ですが、彼女をこの作品世界の象徴、cut4月号のインタビューでいうところの「概念」の象徴と考えると、これらの表現と見事に合致するのです
つまり、この作品世界のイメージや価値観、観念、理想、テーマ、有り様の姿をそのまま、ひとりのキャラクターとして象徴しているのがたまこなのではないか。商店街の人々があらゆる他者に対して親切であるように、人々が他人を気遣い合っているように、人々がデラやチョイといった来訪者とつながり合おうとするように―たまこはそれらを単身で行う、象徴的存在なのだと考えると、全てのエピソードで彼女がそこでそうあり続けてきた理由が見えてきます
たまこは作品世界の象徴であるからこそ、狂言回しであり、商店街とキャラクターが被っているのであり、存在感が希薄なのであり、方向性を示さないのであり、他者と化学変化を起こさない、泰然として超然とした存在なのです。この作品のテーマが揺らがぬように、たまこは揺らがない
そう考えると、たまこがああして描写されてきた理由の全てに辻褄があうのです


■ 逆・セカイ系としてのたまこまーけっと

さて、たまこ(主人公)が作品世界を象徴する存在である、という仮説に基づいて話をしているわけですが

これは別の言い方をすると、セカイ系と言われた作品群のあり方の「逆」の様相です
セカイ系は、個人、あるいは「私とあなた」の内面の出来事に世界の命運が支配されるというものでしたが、たまこまーけっとは全くその逆で、世界、社会、世の中の有り様が、北白川たまこという少女に集約される。たまこマーケットはおそらく、シリーズが終わってみれば、たまこはそこにそうしてあってよかったのだ、という落ち着くべき場所に落ち着いていた、という感じになるはずで、「たまこマーケットとはどういう作品であるか」と聞かれたら、「たまこという少女のようなもの」といえばよいようになるのではないか。そこに落としこもうと作ってるんじゃないかと思うのです

しかし、そもそもこんな作品を自分は知りません。少なくともアニメでは見たことがない
出来事を動かさず、干渉もあまりせず、ドラマをリードするわけでもない主人公。しかし作品世界全体の概念を象徴し、泰然として、世界の柱としてそこにある…思いつきませんw
その是非はともかく、こういう奇抜な、別次元の作劇をするところに、改めて山田尚子という才能の非凡さ、異能さを感じるのですが、どうでしょう

■ 象徴であるたまこに訪れる変化の波と、第11話のドラマ構成

ということを前提にして改めてシリーズを見返してみると、この作品は、「たまこの世界(世界=たまこなわけですが)」に、波状攻撃のように(笑)、3度にわたって、外部からの来訪者がやってくる構成になっていることがわかります。すなわち、第1話のデラ。第6話(実質7話)のチョイ。そして第11話(実質12話)の王子です
なお、デラが鳥という風来坊な存在であるのも、それが異物、外的要因である暗喩でしょうし、デラが鳥であることは、彼ら来訪者がやがて飛び立っていく(出て行く)存在であることも示唆されていますが、それはここではひとまずおいておきます

デラとチョイは、たまこの世界を対象化し、客観する存在としてあるはずでした。ですが、デラは第1話で早々に懐柔され、チョイは第8話で懐柔され、いずれもたまこの世界に取り込まれます。それを象徴しているのが、太ったデラであり、お揃いの制服を身につけ、さらにかんなとみどりからの贈り物の衣装を身にまとうチョイの姿なのでしょう
しかし、デラはその個性故に狂言回しとして存在し、チョイは本来の使命を忘れず、第10話ラストで、たまこがお妃であることを指摘し、状況に変化をもたらします

そして、第11話では感想に書いたように奇妙な現象が起こりました
それは商店街をはじめとする、たまこを取り巻く全ての人物がチョイの言葉をあたかも確定した真実のように受け止め、たまこをそのように扱う一方で、渦中の中心にいるたまこは商店街のスタンプカードという、これまでの商店街、これまでの日常、これまでの状況を維持することにこそ関心を持ち、お妃様の話には、その意志も自覚も現実感もなく、状況に取り残され、むしろストレスを溜めこむという、不可解で釈然としない展開です

ですが、たまこを世界の象徴として見ると、この展開が必然であったことがわかります。たまこは世界の有り様に支配される存在だから、変化はまず世界に訪れ、世界を象徴するたまこが変化するのが順番なのです
世界を象徴するたまこが、世界の変化に対して抵抗する、反発する。これがまさに11話で描かれた本当のドラマであり、まさしくシリーズ最大の山場だと考えられるわけです
そして変わらぬこれまでの世界を象徴するスタンプカード(これは第1話のたまこ初登場の時からたまこが持っていた象徴的アイテム)は、全て溜まってメダルというあがりの状態になっています。つまりたまこに変化の時期が訪れていることが暗喩されてもいるわけです

で、果たしてどうなるか、というのが最終回の見どころなのでしょう

■ 最終回 「everybody loves somebody」
はたまこに訪れるのか?

こうして見てくると、この作品では、どうも、たまこの変化…もしかしたら、たったひとつの変化を描こうとしているのではないか、という気がしてきています
デラ、チョイのふたりの来訪はたまこの世界に変化をもたらしませんでした。しかし、史織との友誼やあんの初恋、あるいはみどりの部長就任などのささやかな出来事、そして第9話で明かされた、音楽の由来とたまこの父母の恋物語の逸話などの世界での出来事は、たまこに揺さぶりをかけてきているはずなのです
そして最終回での王子の来訪が、その直接的なアクションとして位置づけられるのでしょう

そうしてシリーズを振り返ってみると、第2話ではみどりのたまこに対する言語化しにくい親愛の感情が、第4話ではあんの初恋が、第5話ではたまこを巡るもち蔵とみどりのそれぞれの好意が、第7話ではチョイの王子に対する片思い、清水屋の失恋と、さおりの縁談、第9話では豆大とお母さんの恋愛とあんの恋が…それぞれの恋愛感情が度々描かれています
それらを踏まえ、この世界を象徴するたまこにもし、一つの変化が訪れるとするならば、それはおそらく作品のキーワードとして登場している「everybody loves somebody (みんな誰かを好きになる)」であるのが一番自然で、たまこが誰かを好きになる、という終わり方になるのではないか、という気がしています

ところで、改めてシリーズを見返してみて、あの糸電話でのもち蔵との会話は、たまこにとってラブラブタイム?なのかも?と思いましたw 彼女自身にはっきりとした恋愛の自覚はないでしょうが、第9話であんこのことをもち蔵に相談したりと、たまこは無意識にもち蔵に甘えているわけです。第11話でも、もち蔵にあんな言い方をされた糸電話の後でジタンダ踏んでいたりしたので…あのもち蔵との糸電話は、あれはあれでたまこにとってはちょっと幸せな時間としてあるのかも、しれませんw

■ というわけで…

これが最終回直前時点での、大雑把な作品に対する再評価と、再解析です
だいたいの骨子となる部分だけは記述出来ました。放送まであと55分ですが、こんなところでひとまずw


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CUT 4月号 たまこまーけっと最終回直前特集 山田監督インタビュー

というわけで、現在発売中のCUT4月号に、たまこまーけっと最終回直前特集として、山田監督と洲崎綾さんのインタビューが掲載されているのでゲットしてみましたw
当ブログはけいおんブログなので、今回はさらっとレビューにしますw
 
cut4.jpg
この表紙ではゲットしてない人も多そうですが…
しっかり山田監督のインタビュー載ってますw
 
【構成】
たまこまーけっととは何だったのか?
 P86-87 特集総扉・リード
 P88-91 山田尚子インタビュー
 P92-93 洲崎綾インタビュー(P92はグラビア)
  インタビュアー・文責/
小柳大輔


というわけで、当ブログでは毎度ヨイショしています、CUTの小柳大輔氏によるインタビューです
今回もすごい鋭い切り込み方で、山田監督からこれだけの言質、内容を引き出せるインタビュアーはこの方しかいないんじゃないでしょうかw
 
今回のインタビュー記事は、「たまこまーけっととは何だったのか?」と題してはいますが、ある意味、「たまこまーけっとという作品がなんであるか」というところを前提としてインタビューがされているような気もしました。つまりこれは前回のインタビュー前提にした記事として読むべきものです
 
インタビューを通して見えてくるのは、改めてこの作品が、ひとつの世界をゼロから創造し、そうであるべくあるようにして描くことにこだわった山田監督の姿勢であって、これは「けいおん!」のときよりも徹底されているように見えました。それは「こなした瞬間に死んでしまう」「それはこの作品でしか意味のないことじゃないといけない」という言葉からもうかがえます
ですが、更に突っ込んでこの作品(世界)を概念だと言っているのはとても印象的でした。「その概念のようなものをずっと削っていく感じ」「行間があるからこそ美しい表現ってあるんじゃないかなあっていう。そこを大事にしたかったんです」という、これらの言葉からは、たまこまーけっとという作品が、要素の積み重ねで彼女の中の理想概念を間接的に描こうとしていることがうかがえます
監督自身、そうして作られるこの作品が非常に難易度の高いことを自覚されていて、見ている自分もこの作品が受け入れられたかどうかというとなかなか難しいです

しかしこのインタビューの凄みはむしろその後の、ニ段落目にあるような気がします
山田監督の個性、内面にまで踏み込んで、それを引き出しているのでw いやもう…この方もうどんだけすごいインタビュアーなのって話なんですけどw
これについては買って読んでいただくほうが良いと思うので、記事では触れませんw
まあひとついうと、いつか、そういう斜めから見た毒のある話もやってほしいなと思います…でも次は出来れば恋愛を。もっとベタに恋愛をw

というわけで、山田監督のファンであれば購入しておくべきインタビューだと思いますw

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本日発売のGetNAVI5月号にけいおんクリアファイル!

本日発売のGetNAVI5月号で、けいおんの小特集記事が組まれ、さらにCDBOX発売記念でクリアファイル(1種1枚)が添付されます
 
gn5.jpg
まさかまだこのタイミングで特集とはw
 
特集記事としては、「マーティ・フリードマンらとともに再検証/証言!「けいおん!」の音楽はマジだ。」という特集記事が組まれるようです。CD-BOX発売関連でしょうね
 
00.jpg 01_20130323033735.jpg
画像は2chから。クリアファイルはこれが両面だそうです
 
ということで、なんか不意打ちの情報ですが、早速ゲットしましょう
なお、今回はローソンでなくても確保できるようですが、ローソンが確実だろうと思います
自分はさっそく取り置きお願いしておきましたwww

テーマ : けいおん!
ジャンル : アニメ・コミック

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