アニメスタイル003 たまこまーけっと山田監督インタビュー感想

というわけで、放送終了の翌日の本日、amazonからアニメスタイル003が届いたので、早速、山田監督のインタビューを読みました。2/6に取材されたものです。ちなみにインタビュー中の記述から、2/4に最終回のコンテを切り終わったことがわかりますw というわけで、簡単に感想とレビューなど
 
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表紙はたまこまーけっと。結構分厚いムックですw
原画 堀口悠紀子/彩色 下浦亜弓
 
【記事構成】
P16-17 総扉・リード
P18-27 山田監督インタビュー(半分はアニメのグラビアページ)

 
えー、感想をいいますと、ミーハーなインタビューだなーという感じですw まあ、ミーハーは言いすぎかもしれませんが、アプローチ的にあまり踏み込んではいない印象です。インタビュアーが自分の作品理解や価値観を監督にぶつけて言葉を引き出していくCUTのインタビューと比べると、やはりミーハーだなあという感想になってしまいますw
過去のインタビューを読んでいれば、演繹的におそらくこういう回答が来るであろう、と予測できる質問をしていて、その通りの答えがかえってくるので、読んでいてニヤニヤします。でも、ところどころ、その質問はちげーだろ!と突っ込みたくなるインタビュアーの理解(特にけいおんに対して)もあったりしたんですが、まあそのへんは飲もう。今更だ。アニメ畑のインタビューなんてこんなもんだし!(すげー偉そうw)

小見出し毎にみていくと、最初は演出論について、けいおん(とは言わず「前作」と書いているけどあんまり意味ないw)との比較でアプローチしていく流れですが、んー、たまこまの話した方が。過日の
藤津亮太氏の評論でも思ったけど、ずるいなこのアプローチ、自分はそれやるのこれからだよ!っていう…まあそれはともかくw ここらは特にまあ、そういう回答が来るよね、という感じ。続いてたまこまについて「ガールズアニメ」というところからアプローチしていくんですが、当然これは山田監督にとって本意でない。こういうわかってねえ質問ぶつけるところがもうダメなんだよなあ…あ、ダメっていっちゃったw このパートが特にミーハーというか、わかってねーよコイツ!というか、イライラを感じる流れでした。スタッフ(つか石原さん)について触れていくくだりは面白かった。ベテランの三好一郎(木上益治)さんに言及するところはさすがの着眼ですか。続いてたまこまがアニメ的作りになっているという指摘は、まあ見ての通りそうだよねという感じで。ここらも上記したようにその通りの答えが来る内容なので、ニヤニヤします。堀口さんについてはわざわざ小見出しひとつ使っているのですが、このくだりはCUT2月号の補足記事として読むと良いかと思いますw

いろいろボロクソにいっている気もしますが、決して悪い内容ではありません。推察され、ほぼ確信されていた山田監督の認識について、はっきり言質を引き出している、再確認、答え合わせになるインタビューにはなっています。そういう意味では、記録としてゲットしておくべき内容だと思います
たとえば、彼女がアニメを実写的にとっていることなどはとっくにCUTで言及されていることですが、これを改めて言っていますし、けいおんでは空気を撮ることにウェイトをおき、たまこまではそれを踏まえつつアニメ的な方向にウェイトを置いていること(これも見ればわかることですが、デラの存在がそうさせていることにも触れている)、たまこまはその両者をブレンドした作りで、従来の(けいおんでの)実写的な映像、空気を撮るという方向性は意図的に第一話冒頭とEDに集中させたこと(自分がまっ先にEDが好きになったのはやっぱりこういうことか、という納得があったw)、たまこまではたまこまが往年のアニメを意識した作りになっていることなど、ですね。まあこのへんでニヤニヤして、ああやっぱり。ああそうだよね、という感じで読めましたw

というわけなので、いったように個人的に新鮮味があって興味深かったのはどちらかというとスタッフ(ほとんど石原さんですがw)について言及されているくだりで、そこに読み応えがありました。実はこれもCUTなどで過去に触れている題材ではあるのですが…最近はスタッフ論の方に興味がいってしまうので、山田監督が他のスタッフについて語る話って好きなんでw ここは買って読んだほうが良いかなと思うので、触れません

というわけで、なかなかおもしろかったです。まあまあの満足度でしたw
…いやまああの、公平に見て辛めの事を書いてる気がしますが、CUTを読んじゃうとね。どうしてもねやっぱ…w
 
他のアニメの特集記事も充実していますし、買って損のない一冊だろうと思いますw

テーマ : たまこまーけっと
ジャンル : アニメ・コミック

【たまこま】 たまこまーけっと 最終回第十二話 感想

と、いうわけで「たまこまーけっと」終了しました!
最終回は実に濃厚な内容でしたw 23分とは思えない内容の濃さで、満足感が大きかったです!
で、この記事の前に、最終回直前考察記事を読まれることをおすすめして、では最後の感想へ
 
【メインスタッフ】
脚本 吉田玲子
絵コンテ 石原立也
      山田尚子
演出 石原立也
作監 池田和美
作監補佐 植野千世子
       丸木宣明
 
【印象】
・おお、初めて前回のラストからそのまま繋がってるぞ!w
・ていうか、意外と王子様、身長が高かった。たまこより低いのかとw
・わかってもらえないデラさんw
「時が何かを変えるのか」は意味深ですな
・黒服の人…っつーかもち蔵www
・まるでお見合いだなw
・王子がもちを食べるシーンで、チョイまで反応をうかがうのが笑えるw すっかりたまやの一員だなw
・豆大さん得意顔w
・メチャwww
・お姉ちゃんのこと迎えに来たって、もうそこまで話がwww
・眼の下にクマ…もち蔵…
・「しつこいな」で終わっちゃうんだw
・こういう盛り上がり方は女の子たちっぽいw
・しかしすっかり人生設計とかの話にw
なんか前回から豆大さんとデラさんの掛け合いがいいなw
・商店街の人々の質問構成っつーか、来訪者はみんな注目の的って、この社会には新陳代謝がないのかw
・マネージャーチョイちゃんw
・動揺してる。たまこ動揺してるよw
・シャッター街だあああ!w
・商店街の変異に不安になるたまこ。たまこはこの世界と強く繋がった存在だからですね
・母親の時を思い出したか…
・みどりよりもデラが先に飛び込むのは重要
・みんなに愛されるたまこ、というかたまこがこの世界の御柱なのだろう
・うん。そこが重要だw
・なんだこのアイキャッチw
・おおー、こういう構成やるの珍しいw
・たまこの身の上談。彼女が何者であるかという総括
・魔法のバトンへの未練がバトントワリングになったんだな
・糸電話はみちこさんの作ったものだったのか!
この世界のこれまでの蓄積。この世界との絆であり、彼女の根
・デラはたまこを思うがゆえに、彼女と世界を切り離すことを是としない
・たまこが自分でちゃんと断ったw
・チョイ様…それは…それは…w
ほーらチューベローズが理由ですよ!8話からずっと出てましたからw これは的中w
・土台から崩れたw
・みどり、もち蔵w お前らくっつけよwww
王子様はこの世界に取り込まれない。これも重要
・帰っちゃうんだ
・チョイちゃんは家族みたいなもの
・クマは緑のだいすきなもの
・かんなw
・それはやめとけw しかしメダルはどう捉えるべきかな
鶴。11話で折っていたもの。日本の伝統文化
チョイの首筋にも印がある? 印があればいいな? どちらとも取れる
・王宮気になるw
・ターキーw
・こういうたまこは初めて見た。変わったのか? デラとの距離感か
・にぎにぎしい商店街の全ての場所にデラさんがいるなあ
・デラさん、出て行くんだ…
・この辺りが暖かかったは、cutの監督のインタビュー思い出すな
・デラさん…あんた…それは…w
・花屋さんもあの…w
もち蔵、初めてプレゼントできた!ああこれヘタレなりの成長?変化?w
・というわけで、デラさんはたまやに帰る。デラは家族なんですなw
・ちっとも変わらぬものもある。いやそれは変わったこと、なのだけどねw 
・おしまい
 
【映像】
おいといてw

【花言葉】
チューベローズ/危険な楽しみ・冒険
チョイの判断の決め手になったもの。シリーズを見返してみると、8話から登場していて、10話ではチョイがたまこの香りに気づくシーンで、チョイの顔から化粧台のチューベローズにフォーカスが移るという決定的な演出までありましたw
というわけで、前回の感想から推察していたとおりの展開でしたw

他の花については…まあもういいかな。他の方に任せよう…w
見返していて気づくことがあったら書き足しますw

【チェックポイント】
・たまこの独白
たまこがどういう環境で育ち、どういう絆を世界と持っているか、という話
すなわち、北白川たまこは何者であるか。彼女を育んだまさしくこの世界の一部であるということ

・商店街に取り込まれない王子
王子は、デラ、チョイと違って、あくまで己のアイデンティティを自分の国に持つ

帰っていくチョイは「家族のようなもの」。ならば、残るデラはもはや「家族」であること
まあ、そういうことかとw

・メダルが象徴したこと
これは、たまこにとって日常の終わりではなかったんですね。変化を予感させミスリードさせるためのギミックであって、終わってみれば、彼女がこの世界でメダルを受けるべき、そういう象徴的存在である、という記号だったということになろうかと思います

・チョイがたまこにあげた折り鶴
チョイが日本の伝統文化を象徴するものをたまこにあげるのは、たまこがそういう存在―過去から伝えられてきたものの上にいる存在であることを象徴していると思います
 
【感想】 変化を飲み込むお餅のような世界。魂の帰属する場所
 
直前考察に書いたとおり、この作品におけるたまこの存在とは、世界観の象徴です。最終回を見て、この仮説はほぼ確信に変わりました。たまこは世界を体現する存在、世界を象徴する存在として、この作品の中で位置づけられてきた。それがこれまで感じていた、彼女に対する不透明な背景、希薄な存在感、他者と化学反応、化学変化を起こさない泰然、超然とした姿であることの理由だったのだと思います。彼女はこの作品の社会、世界そのものを体現した存在なのでしょう

そこに変化が訪れた11話。それは周辺の、社会、世界の変化として訪れ、世界を象徴するたまこに襲いかかる
果たして、世界の象徴、御柱であるたまこは「変わる」のか、もしかしたら彼女に恋愛が訪れるのか?というところが個人的に最終回の見どころだったわけですが…

結果としては、変わりませんでした

ただし、これを単に「変わらなかった」というのは短絡的な理解だと思います
それは、彼女の長い独白によって語られたように、彼女が変わらなかったのは、彼女が彼女の生まれ育った環境、人々、出来事…つまり、彼女のともいうべき、時の蓄積に裏打ちされた世界との絆が理由だったからです。そしてデラはそのたまこの独白を聞いて、たまこをこの世界から切り離してはいけないと決心し、王子にたまこのことを諦めるように頼みます

つまりこの作品は明確に、人が帰属する社会、蓄積、伝統というものの価値を訴えているのです

彼女は「変わらなかった」。しかしそれは文字通りの意味ではないのです
彼女を取り巻く環境は微妙に変わっているし、彼女の認識も変わっている。変わることを考える出来事があった。ざわめきがあった。しかしそれら全てが結局は、彼女の世界の出来事の中に回収され、吸収され、何事もなかったように「変わらなかった」。いうなれば、大河に小石を投げ入れ、波紋が水の流れとともにかき消えていくように「変わらなかった」。お妃騒動のこと、そしてこの一年のこともすべて、この世界の中で起きた出来事、ひとつの記憶として、この世界の「蓄積」になった。これまでの蓄積、世界の深みが、すべてそうした些細な出来事を飲み込んで、変わらなかった

過日ツイートしましたが、藤津亮太氏がこの作品について朝日新聞によせた評論で、彼はこの作品の時空の広さについて指摘していました。それを踏まえて言うなら、この作品は、「今」の価値を描いた「けいおん!」よりも、長いスパンの時間、広い世界の出来事に物語の焦点を置いていて、その長大さ、広大さの中で、今、その時の「変化」をただの「蓄積」として吸収していく、そういう「世界」の強靭さ、そして世界の優しさを描いていたと思います。人が生まれる前の過去から積み重ねられてきたもの、そして今も積み重ねられていくものが、全て「あなたの世界」に回収されていく、この作品は、そういう価値観で描かれていた。また、それがこの作品がたびたび、日本の伝統文化をインスパイアさせていた理由でもあるのでしょう。たまこの母親が失われた悲しみが描かれなかったのも、それがこの世界が回収した蓄積の一つに過ぎず、おそらく、そういう悲しみすらも、たまこを作ったこの世界の一部であるからに他ならない

まとめて言うなら
この世界は、強くて豊かで、すべての変化を包む
―そう、お餅のように― 優しい世界であればいいと
そして人は、そういう自分の根から離れて生きていくべきではないと

この作品が描いたことは、監督が込めたメッセージは、
つまりそういうことだったと思うのです


そして確かに、北白川たまこ、という存在は、この作品世界の象徴としてそういう選択をしたわけです

最後に、ひとつ不満をいうなら
やはり「everybody loves somebody」のキーワードを反映して、最終回はたまこに恋愛フラグを立たせてやって欲しかったですねw ドラマツルギーに反してたんじゃないかい?というw …まあ期待の範囲でしかなかったんですけどねw
この作品は、そういうせせこましいタイムスパンを描く作品ではなかった、ということですかねえw


まあ、最終回直前考察ができてよかったです
おかげで最終回の前に、この作品と握手ができましたw
こうして理解してみると、改めてものすごい着眼点で描かれた作品で、山田尚子は異能、異才の人である、という認識を強くしています。賛否、是非、評価はともかくとして、おそらくこんな着眼で、こんな作劇の作品を作れる人は、彼女だけでしょうね
彼女の次回作がとても楽しみです

まあその前に、またけいおん!とたまこま、見返さないといけませんがw

以上です!

終わりよければすべてよしということで、「たまこまーけっと」楽しませて頂きました!
山田監督、スタッフ、キャスト、関係者の皆様。どうもありがとうございました!!!
(2013.03.28 記)

■ 追記

直前考察で、この作品はたったひとつの変化を描くのではないか?と書いたのですが、当たりでした
ただしそれはたまこの恋でなく、デラという存在が、たまこの世界の一部になったことでした。大外れw

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我の深部にHTTが潜伏したる理由を


我も亦 知らぬなり


こういう管理人w

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