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【映画読解】 空の向こう、星の彼方

今日、たまこラブストーリーの公式サイトがリニューアルされ、イントロダクションが発表されました
そこにはこうありました

 高校3年生の春。
 そんなことを思いはじめた少女は―恋をする。

 北白川たまこは、知らなかった。
 それは、「宇宙の入り口」に立ったような感覚。

そして、同じく本日、C85冬コミの京アニブースで、映画「たまこラブストーリー」のチラシが配布され、その裏面に山田監督からのメッセージが寄せられていました。そこにはこうありました

 17歳になったたまこが、はじめて目にする恋の世界
 きっと輝いているはずです。

これらを読んだ時に、雷に打たれたような衝撃を受けました
それは、これで自分にとって、「映画けいおん!」の最後の最大の謎が、ほぼ確信を持って氷解することが出来たからです
勘の良い方ならなんのことか、もうわかると思います
そう。それは「宇宙と交信」というフレーズに込められていた意味と、その理由です

■ 夜空ノムコウとひこうき雲

映画「けいおん!」において「宇宙と交信」というフレーズは作中2度登場します
最初はオカルト研が唯との会話の中で「屋上で宇宙と交信」する、といいます。そして2度目は、卓球のシーンで純が「(唯たちは)宇宙と交信でもしてるんじゃないの?」といいます

この2度登場する「宇宙と交信」。映画を初めてみた頃からひっかかっていたフレーズでした
2度も登場する以上、このフレーズには監督が何らかの意味を込めていたのはおそらく間違いないと思っていたのですが、自分にはこれがなんなのか確信が持てませんでした

TVシリーズを振り返ると、宇宙=星空が印象的に登場するのはs2e12、野外フェスの回です。5人が未来の夢を語り合うこの回のラストシーンで、こうした会話がかわされます

 唯「これからもずっと、みんなでバンドできたらいいね」
 律「そうだな」
 紬「うん」
 梓「そうですね」
 澪「ああ。ずっと、ずっとな」

ラストカットが満天の星空で、そこに最後の澪のセリフがフィーチャーされます
この回において「星空」=「宇宙」であるならば、「宇宙」とは「未来」のことと理解することができるでしょう

ですが自分は、これまで、この説には今ひとつ説得力がないような気がしていたわけです
まず、星空が宇宙を意味させようとしているというのが、そもそも仮定ですし、宇宙が未来であるというのは、ぱっと見、やはりこじつけのように思われました

そして映画けいおん!に帰るわけですが、ここで出てくる「宇宙と交信」。確かに「未来と交信」と読み替えるとすんなり読める気がします。ですが、果たして唯たちは屋上で星空を見上げたわけではない。彼女たちが見上げていたのは空。一筋のひこうき雲がたなびく空だったのです

だからわからなかったのです
「宇宙と交信」とはなんのことなのか?
山田監督はこのフレーズに何を込めていたのか?

■ 未知の世界

ですが、このたまこラブストーリーのイントロダクションと、監督のメッセージを見てわかりました
やはり「宇宙」は「未来」でほぼよかった
しかし正確に言うなら、確信を持ってそれは「未知の世界(としての未来)」のことなのだと思います

たまこまーけっとにおいて、「宇宙(の入り口)」というフレーズはe11に登場します
たまこのお妃騒動に動揺するみどりたち3人の会話のシーンです

 みどり「なんでそんなあっけらかんとしちゃってんの? 急に…こんな…
      例えるなら、私から熊のぬいぐるみをとりあげるみたいな…」
 史織「うん、わかるよ。なんか、怖いよね。なにかが、急に変わっていくって」
 かんな「みどちゃん。私も、宇宙の入り口に立ったみたいな気分なんですよ。動揺してる…」

この場面では、史織のセリフがローアングル(しゃがんでるみどりのPOV)から画面隅の史織なめ星空ズーム、そしてかんなのセリフがかんなの横顔なめ星空、です

この場面における「宇宙」の意味合いは「映画けいおん!」におけるそれよりもはるかに明快です
ここでの「宇宙」とは明らかに「未知の世界(としての未来)」のことであって、彼女たちにとって親友の婚約・結婚という話はまさに今これから広大無辺の宇宙に臨むような、圧倒されるほどの不安と動揺を与えるものだったわけです
比喩として、とてもわかりやすい使い方だったと思います

ですが、ここでの「宇宙」を「映画けいおん!」での「宇宙と交信」にそのままフィードバックして解釈するのはなかなか難しい、というより素直につながらないと思います。上記したようないくつかの疑問点から、ストレートにつなげて解釈することには抵抗がありました

…が、この山田監督のメッセージを見て、山田監督が「宇宙」というフレーズに込めているものは改めて「未知の世界としての未来」なのだとハッキリ確信が持てました

山田監督はたまこまーけっと、たまこラブストーリーを通して、宇宙の入り口」という表現を、本編と、公式サイトのイントロダクションでも使っている。これほど印象的に使いまわしているフレーズに、「宇宙」という言葉に、込められた意味がないわけがない

ならばきっと映画けいおん!においても、「宇宙」には同じ意味を込めたはずです
では、その上で「映画けいおん!」を解釈すると、どうなるのか?

■ 近い未来の「約束」

自分は過去、「映画けいおん!」について、これは4人と梓が未来の約束を交わす話だと総括しました
旅行中に登場するいくつかの予約という約束―ホテルであったり、ティータイムであったり、ライブであったりとは、彼女たちに未来の約束を要求していました。そうして生まれた「天使にふれたよ!」は歌詞に歌われた通り、これからも仲間であり続けるという約束の歌であり、未来にまた一緒になる約束の歌だったと言えます

純は、4人が宇宙と交信してるんじゃないか?と梓に振りました
しかし彼女たちは屋上で宇宙と交信などしなかった
唯たちは遙か未知の世界に自分たちの未来を尋ねない
その代わりに、自分たちの意思で、互いに、自分たちが望み願う未来の姿の約束をした
おそらく「宇宙と交信」とは、作品にそういうメッセージを込めるために―この作品は、唯たちが自身で自分たちの未来を選び進んでいく物語なのだというメッセージを込めるために置かれていたフレーズだったのだ、と自分は解釈しました

だから、彼女たちが屋上で見上げたのは宇宙=星空ではなかった
もっと近い未来、そして自分たちが選ぶ未来としての、ひこうき雲の空だったわけです

■ ラブストーリーという「宇宙」

というわけで、「映画けいおん!」が「"空の向こう"の物語」なら、次に挑む「たまこラブストーリー」は「星の彼方」つまり「"宇宙"の物語」なのではないか? 山田監督は、"ラブストーリー"をそう位置づけたのではないか?
…というのが今の自分の推測ですw
今あらためて、たまこまーけっとのe11の件のシーンを、映画けいおん!の屋上のシーンの対比として見てみるべきなのかもしれません

そう考えてみると、自分にとってやはり映画「たまこラブストーリー」は、「映画けいおん!」と、ある意味で対比して鑑賞すべき作品、ということができそうです

来年の4月を期待して待とうと思います!
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テーマ : けいおん!
ジャンル : アニメ・コミック

映画けいおん!時系列順作品解説(2013ver.)

えーと、本記事は、昨年12/24の映画けいおん!地上波放送で行ったtwitterによる作品解説全文をベースに、現在の認識で(正しくは当時の認識もあるんだけど)解説を増補してみたものです。今回はキーワードを赤字にしてあります
一応、140字以内で、映画を見ながらリアルタイムで見ていくように作られています(別にそうする必要もなかったんだけどw)

昨年同様、これを見ると自分の作品理解がどういうものか、ざっくりとわかるようになっています
もちろんこれはあくまで自分個人の作品読解であって、絶対のものではないことをお断りしておきます

なんでこのタイミングにこんなことをやっているかというと、先月23・24日の上映もきっかけではありますが、特に理由もなく、なんとなく自分の中で作品理解を整理しようと思ったからですかねw
これが映画を見返すひとつのきっかけになれば幸いです


■「映画けいおん!」場面順解説 for Twitter

【冒頭1】「写真/カメラ」は重要なキーアイテム。作中、写真とカメラは頻繁に登場することに注目。本作における写真とは「今」を保存し、その瞬間の価値を「未来」に伝えるものと解釈できる

【冒頭2】秒針を刻む音。「時計」はキーアイテムであり「時間」はこの作品で最も重要なキーワードのひとつ。この映画は、彼女たちと「過去」と「今」と「未来」の物語ともいえる

【冒頭3】つまり、最初のシーンでこの作品を読み解く最重要キーアイテム「時計」と「写真」は同時に登場している。そして写真の中心にいる「梓」こそ、このドラマのキーパーソンであることが明示されている

【冒頭4】s1e01と同じ構図。時制はいつでもない朝。終盤の卒業式朝とは制服の乱れ、コルクボード等に差異がある。なお映画本編はs2e22とs2e23の間の時期から始まる。おそらく3月中

【時計1】「時計」は作中、唯の部屋、教室、駅、空港、飛行機、ビックベンといった多くの場所に登場し、飛行機を除いて全てアナログ時計。後述するキーワード「回転」と関連付けられる

【時計2】一方、時計の無い場所として部室、ホテルの部屋(417号室)、律、澪の部屋、職員室などがある。時計のない部屋は時間のない場所、時間的普遍性のある場所と考えられ、ホテルの部屋は旅行中の部室に当たる場所

【DDごっこ】先輩4人の悪ノリの世界。梓が参加できないところに先輩4人と梓の間のすれ違いと距離感が提示されている。この「4人と1人」の構造提示が本作のドラマの端緒であり、これを掴み損ねると作品を理解し損ねる

【部室1】ホワイトボードに注目してみるとs2e22の落書きの一部がある。この落書きはs2e23の卒業式前日の大掃除で消去される

【OP1】キーワード「回転」が提示される。回転方向が意味を持つ。繰り返される昼夜は右回転=時計回りで「未来」へ向かう時間の流れ。左側のふたつの小窓は左回転である。作中「右回転」「左回転」は時の流れの向き「未来」「過去」とそれぞれ関連付けられる

【OP2】さらにこの小窓の回転によって、「右側」が「未来」と。「左側」が「過去」と関連付けされることが提示されている。これはその後の飛行機の方向や飛行機雲、屋上の場面やラストシーン、EDの解釈にも援用される

【OP3】繰り返される昼夜=「反復」はけいおんという作品全体を貫く演出テーマ。本作では似た出来事の繰り返しとその都度の相違によって、彼女たちの成長や変化、時間の流れ、世代の変化さえもが描き出されている

【OP4】コンテによれば広がり縮まる円はカメラのシャッターをイメージしたもの。「カメラ/写真」はキーアイテム。作中、先輩4人はカメラを使用している場面が描かれるが、梓は使用しない。その理由こそ本作の結論

【OP5】歌の詩に重ねてそれぞれ部室に初入室したシーンが描かれる。一番と指を上げる律、戸惑う澪、ふんふんと部屋を見回すムギ。律に連れられ入室する唯、律に抱きつかれる梓。監督いわく「初めての体験」は彼女たちの人格を形成していく重要なファクターである

【OP6】身だしなみを整える4人と撮影できない梓。ここでも「4人と1人」の構造。作中、梓がカメラを手にしているのはここだけ。ホワイトボードからs2e01Bからs2e02Aの間の時期

【OP7】ケンケンパのシーンはホワイトボードからs2e06の頃。ただしムギの服装からs2e06中ではない。ここでも梓がひとりだけ物憂げにムスタングを抱いているのが印象的で、孤立感がある。「4人と1人」の構造が見られる

【部室2】バウムクーヘンは年輪であり時間の積み重ねを象徴している。さわ子のティーカップは最初から用意されていて、さわ子の出現にムギは動揺していない

【部室3】大学進学を喜ぶ4人の先輩と、先輩たちと別れる梓の寂しさ。ここでも「4人と1人」。ここでのやり取りからこれが律と唯が留年に怯えていたs2e26の頃とわかる。梓の手合わせは、ごちそうさまか留年しませんようにの祈りかw

渡り廊下1】キープレイス。s2e01で初登場。ここで唯は桃花(桜ではない)を拾う。s2e22では外を眺め先輩との別れを思う梓を純が慰める。s2e24で卒業式後、締まった扉の外を4人が歩く。つまり渡り廊下の内外は「在校」と「卒業後」を象徴する

【渡り廊下2】ここで外を見た唯が廊下側に振り返りする提案は、自らに課した「卒業課題」。その内容を4人が廊下と外の境界にしゃがんで相談するのも、その意味を重ねて象徴している。彼女たちはこの命題を終えるまで卒業できないのだ

飛行機雲1】インサートされる飛行機雲のカットはキーショット。後述するが飛行機の向きは時間と関連付けられ、それによって飛行機雲も過去か未来と関連付けられる。右へは「未来」。左へは「過去」。ここでは「未来」。彼女たちの卒業課題の話と符牒

飴の道標1】キーアイテム。ここは包装紙のみで、それを辿っても梓は先輩たちの「実」に辿りつけない。その通りに梓は4人に会話の内容を隠されてしまう。ここでも「4人と1人」の構造が描かれている

【唯と梓の相似構造1】本編ではs1e02で「律たち3人と唯」という人物構造とその解消が描かれており、本作はそれを踏襲して「4人と梓」という演出がされていると思われる。つまり、唯と梓の出来事も「反復」なのだ

横断歩道1】病院前の横断歩道はキープレイス。梓への贈り物を悩む唯とムギはともに横断歩道の赤信号で止まる。卒業課題が解けず、未来への足止めをされているという寓意。終盤に、悩みが解消され同じ横断歩道をこのふたりが青信号で渡るシーンがある

赤とアオ】信号の「赤」「青=アオ=緑」はキーカラー。「赤」は「立ち止まること、モラトリアム」を、「アオ」は「未来へ進むこと」を象徴する。2年と3年の(リボンの)色でもあり、梓は立ち止まろうとし4人は卒業・未来へ進んでいく姿勢と重なる。赤と青は作中頻繁に、象徴的に登場する

【澪と紬1】作中、このふたりは対照的に描かれる。ここでは手の冷たい澪、手の温かいムギ。靴下を履いたまま寝たムギと脱いで寝る澪

紬の座席1】この卒業旅行の話題では、ムギの座席の周りに4人が集まる。後半の後の卒業ライブの話題でも同様。他の3人が進学先をムギの志望校にしたように、常に泰然としてブレずに4人の要となるムギのポジショニングが象徴的に描かれている

【唯と紬】4人の中で唯とムギは願望へ向かう者であって4人の要となる点が似通っている。ここでも卒業旅行は唯とムギが推進役になっている。ふたりの相違点は、教室とタクシーでの座席の描かれ方に象徴されている

【唯と律1】作中通じて律と唯はひたすら仲良し。梓にとっても唯がそうであったように、唯にとって律は部室の扉を開け軽音部に溶け込むきっかけとなった人物だった。梓が唯に懐くように唯も律に懐く。あるいはこれも「反復」だろう

【というわけで】教室ではバレー部の手前、律が見栄を張ったが、部室では本性が出たとの説が有力w ムギは律の翻意に喜び、澪の叱責でがっかりするが、唯は泰然としている。やっぱりりっちゃんだくらいに思っていたのかもw

【ホワイトボードのしりとり】むちうち→鳥獣戯画

【部室4】卒業旅行を巡る先輩と梓の温度差。ここでも「4人と1人」の関係性が描かれている。先輩たちにとって梓は当たり前に軽音部の仲間だが、梓は明らかに先輩たちに対して埋めようのない1年間の壁を感じている。それが卒業旅行によって解消されることになる

【キャラの名1】この映画ではs1e02のようなキャラクター紹介のスーパーインポーズがないので、初見者はキャラ名を作中の会話や携帯画面、メモなどから拾って把握するしか無い。この不親切さは仕掛け

【キャラの名2】実は会話、画面から先輩4人はフルネームと漢字、愛称が判明するが、梓はエンドテロップまで姓が不明。つまり作中の梓は「中野梓」ではなく「何者でもない梓、あずにゃんと呼ばれる子」であり、一般化された後輩概念としても描かれている

【キャラの名3】ちなみに唯は和の携帯画面や空港での署名等から「平沢唯」。律は唯のセリフから「たいなかりつ」梓の旅行予定メモから「律」。澪は律のセリフから「あきやま」梓のメモから「澪」が判明

【キャラの名4】紬は携帯メール画面から「紬」と会話から「ムギ」の愛称がわかる。梓は唯のメモ「梓にゃんへのプレゼント」で愛称と名前の漢字がわかる

【ヨーロッパ仮面】ここで澪がカメラを初使用。澪は作中頻繁にカメラを使用する

【オカルト研】オカルト研ギャグを唯は理解できない。それは彼女たちだけの世界。冒頭のDDごっこと対比されるべき。軽音部を客観化するファクター

【部室5】梓関連の提案は全て唯から行われている。曲を贈ると決めるのも唯。唯は梓に対するキーパーソン

【飛行機雲2】ここでは二つの向きの飛行機雲が交差しており「過去」と「未来」が錯綜している。梓に贈る歌が過去を思うものなのか未来の為なのかという彼女たちの悩みなのかもしれない

【護身術の本】作中後述され、s2e27に登場する護身術の本は憂の右脇に置かれている

【旅行の衣装1】唯以外の3人には青系と赤系が共に使われているが、トランクに象徴されるように澪は青系が基調、唯は赤系が基調でキャラのイメージカラーが反映されている。特に唯の赤いスニーカーは後述の通り象徴的な意味を持っている

【旅行の衣装2】梓は紺のコートと赤のマフラーという強いコントラストで中間色系でまとめている先輩たちとはひとりだけ違う

【ムギのキーボード1】ムギは4人の中にあって決して揺るがない存在だが、自分がひとり仲間はずれになることには耐えられない

】奇しくもJALの受付のスカーフに赤白青が使われているが「白」もキーカラー。梓の買う靴、唯が天フレのラストに履いているブーツ、そしてEDの薔薇。白は過去、未来と関連付けられない時間的普遍性を持つものとして象徴されている

【出発標識】左に向かって飛んでいく飛行機のアイコン。左向きの飛行機は「過去」へ向かうことの寓意。逆の右向きの飛行機は「未来」へ向かう寓意

【パパラッチネタ】ここで唯がカメラを使用。しかし唯がカメラを使うのはここだけで、唯だけは梓を撮影しないことに注目

【唯と梓の会話1】この会話から「回転」が「過去」や「未来」と関連付けられる。また飛行機がメタ的に時制を越えるタイムマシンの役目を持っていることがうかがえ、その通りに解釈すると理解が広がる

【唯と梓の会話2】「逆回りすると時間が戻るの?」ここでの回転は時計と関連付けるべき。ちなみに北半球における日時計の回転方向が今日の時計の回転方向の由来。時計回り=右回りは「未来」、反時計回り=左回りは「過去」の寓意

【唯と梓の会話3】「じゃあどのへんまで…」ここで3泊5日の旅程を想起すると、3泊は彼女たちの3年間と対応することが推察される。つまりこの旅行は4人と梓が過去を共有するための旅、共有する最後のモラトリアムと理解できる

【フライトシーン往路】飛行機は左に向かって飛翔する=過去への旅

あずキャット】唯が言い出すあずキャットは、その後4人の先輩が全員口にすることになる。ここでは単に「あずにゃん」の英語化?であるが、この後、梓とカメラとの関連付けが行われる

【暗転からイギリスへ】この暗転からのシーンは梓の主観(POV)で描かれている。つまり飛行機というタイムマシンによってタイムトラベルした主体は梓であり、前半、梓が先輩たちに対して抱いていた埋められない1年間が埋まることが旅の主題だとわかる

【ロンドン・アイの広告】ロンドン・アイは作中、反時計回りに回転するように描かれる。過去を象徴し、ロンドンが過去の世界であることが暗示されている

梓=17】17は梓の年齢であり梓を象徴するキーナンバー。後述するホテルのルームナンバーにかかる

【唯と澪と律1】珍しい唯と澪のコンビネーション。ツッコミ役が律というのが3人の関係性が見えて面白い。この3人はふたりが浮かれると澪か律が必ず抑え役に回る

【ホテルアイビス】ロンドン市街にはロンドンシティという一角がある。そのことを知らなかった律はロンドン・シティのホテルアイビスに行く事にYESと答えてしまった

【3つの予約1】旅中に3つの予約がある。ひとつはホテル=旅中の部室。ふたつめはアフタヌーンティ。3つめはライブ出演。いずれも「放課後ティータイム」と関連付けられる。「放課後ティータイムには約束が必要」という暗喩だろう

【梓の白い1】先述の通り1泊目が唯たちの1年目の過去であるなら梓は居ない。靴擦れはまさにその「ズレ」を象徴するイベント。靴の新調を提案するのが唯であることに注目

あずキャットとカメラ1】この後の「あずキャット」は常にカメラを使おうとする場面に登場する。ここで梓とカメラが関連付けられている

【梓の白い靴2】梓の白い靴は、梓が1年の差を埋めて、過去を先輩たちと共に歩めることを象徴するキーアイテム。白は時間的な普遍性の寓意。後に靴のリサイクルボックスが出てくるが、この靴はリサイクルして使うべきもの

【飛行機の看板】青いビルの飛行機は右向きでも左向きでもなく真下を向いている。梓が先輩たち4人と共に歩めることになった「今」が強調されている。ちなみにこの看板は実在

寿司蘭鋳1】「赤」と「アオ」に注目。赤を基調とした店内。赤は止まれ=モラトリアムの象徴。法被は青。アオは進め=未来への志向。モラトリアムの建物の中で成長していく5人―即ちこの店は「高校」。梓は先輩たちと共に「入学」したという寓意

【寿司蘭鋳2】「回転」にも注目。店員のシャツは反時計回りで「過去」店内配色も赤」を基調として「過去」と関連付け。しかしコンベアと演奏中に回転する金魚の回転方向は時計回り=「未来」と関連付けられる。ここは過去と未来の信号が混在している

【ムギのキーボード2】ここでもムギは仲間はずれが許せない。用意されるキーボードは「赤」。これはEDに登場するものと同じ

【寿司蘭鋳2】ムスタングは別として、この店で用意されるスネア、キーボードは「赤」であり、やはり赤色に意味が持たされている

【寿司蘭鋳3】梓が唯たちのリボンと同じ「青」を身にまとう=同じ学年になる。梓が4人と時空を共有している象徴。つまりここで行われるライブは梓が経験できなかった唯たちの1年目のライブの疑似体験である

【寿司蘭鋳4】演奏と同時に天井の証明の金魚の飾りが時計回りに回転する。コンベア舐めステージのカットもあり、バンド活動と未来が関連付けられていると読める

【澪と紬2】回転する飾りに、顔色を失う澪と笑うムギ。ここでもふたりは対照的に描写されている

【店員のTシャツ】なぜか唯がいるショットだけ手前の店員のシャツの矢印の回転方向が逆で、BDでも直されていない

【律と澪】本作では律と澪のツーショットは多くない。ここは数少ないツーショットの会話

【唯の青い法被と赤い靴】「青」の法被は常に前向きな唯のキャラを象徴している。しかし旅中、彼女の履いている靴は「赤」。旅行中、唯は梓へ送る歌について悩み、足踏みをしているのだ

【ibis417号室1】「ibis」は鳥のトキの意味。転じて「時」とかけていると思われる。この旅行が時間旅行であることを暗喩しているのだろう。だが彼女たちが止まる部屋にはいずれにも時計は置かれていない。5人が泊まるコネクションルームは時間的普遍性がある場所、と考えられる

【ibis417号室2】唯と梓の部屋の壁は緑で梓のイメージカラー。梓の内面世界の暗喩。そこに唯だけがいるのは唯が梓にとってのキーパーソンである象徴

【ibis417号室3】律たちの壁は青で3年のリボンの色と同じであり、また彼女たちが制服を着ていることからもわかるように、この部屋は先輩4人の世界、ロンドン旅行における部室に該当する空間。時計が無いのも部室と同じ

【ibis417号室4】なおこの部屋がロンドンにおける部室であることの傍証として、サントラの解説によると、この部屋のBGMは部室のイメージソングである「have some tea?」のロンドン版として発注されたことが明記されている

【記念写真】ここでムギが律を撮影するのにカメラを使用

【自慢の憂だよ】自慢の妹とはいわず「憂」が一般名詞化されているのは、唯のボケとみせて、実は作り手の仕掛け

【梓の夢1】唯の赤いリボンが象徴的で、この夢は現状を維持して現在に留まりたい梓の願望が反映されている

【梓の夢2】夢で梓が座っている座席は現実の2年の教室では憂の座席。ここで「自慢の憂だよ」と「憂」を一般名詞化した理由がわかる。唯にとって「自慢の憂」=特別な存在になりたい梓の願望が現れている

【梓の夢3】ただし、この座席はs1e12での1年生学園祭時の可能性もある。唯と同級生だったらよかったのに、ということだろうか? ただし入学直後のs1e09では別の座席なのでこの線は薄い

【梓の夢4】私物のドラムやキーボード、ティーカップは登場するのに律たちは不在。机の上のケーキに青のリボンが見られることから、彼女たちの存在はこれらのアイテムに象徴されていると思われる

【梓の夢5】時系列ランダムに過去のイベントが描かれている、s1e08、s1e09、s1e12、s2e15など。「もう私、先輩じゃないんだよ」といって唯が部室を去ることから、卒業で唯との関係性が見失われることへの梓の不安がうかがえる

スカボロー・フェア1】映画「卒業」の主題歌として有名な「スカボロー・フェア」を象徴する4つのハーブが作中に登場している。まずここで食器皿に残る「パセリ」がひとつめのハーブ

【貯金箱の豚と紫陽花】紫陽花の花言葉は「気まぐれ」。劇中歌に重ねて幾多のシーンで描かれる彼女たちの旅が、気まぐれ気ままなものであることが暗示されている

【ワールズ・エンドの逆時計】ここが時空間の歪んだ場所であることが象徴的にわかるシーン。また律がここで初めてカメラを使用している

【梓を撮影する先輩1(澪)】ハーパーズカフェで澪が梓をソロ撮影している。先述の通り、律、澪、紬は梓の単身写真を撮影もしくは所持しているが、唯はカメラでは撮影していない

ロゼッタストーン】キーアイテム。「カメラ」と同じく「今」の価値を「未来」に伝達するもの。「今の価値を未来へ伝えていく」ということこそ、本作が最も描こうとしたこと

【3つの予約2】ふたつめ。アフタヌーンティは予約がなかったので実現しない。ひとつめのホテルの予約が部室の確保であるなら、このふたつが意味するところは「放課後+ティータイム」には予約が必要という寓意になる

【澪と紬3】ロンドン・アイを見ての澪とムギの反応が対照的。「回転」が過去や未来への変化を意味するものなら、これはそのまま「変化」に対するふたりの反応の差。変化や未知に怯える澪とそれを楽しむムギはTVシリーズでも描かれていた

【唯と澪と律2】澪弄りで唯と律が結託。小芝居で慣らした阿吽の呼吸が冴えるw ロンドン・アイでの澪を語る律と唯にも互いのポジションをわきまえた3人の関係性がうかがえる

【澪と紬4】ロンドン・アイではしゃぐ澪。この後、澪とムギのの対照的描写はなくなる。律の台詞の通り、変化の中に入ってしまえば澪とムギは同類。ふたりの差異の問題はここでクリアされたのだ

【あずキャットとカメラ2】ここでもカメラを使おうとする澪に律が「あずキャット」を使い、写真(カメラ)とあずキャットが関連付けられている

【あずキャットとカメラ3】ボロウマーケットでもカメラを使う澪が「あずキャット」を使用して、あずキャット=梓とカメラの関連づけは決定的。つまりは「梓は(カメラ同様に)今の価値を先輩から受け取り未来に伝える者なのだ」ということ。本作が描こうとしたことである

【ibis417号室5】ルームナンバー「417」がこのカットで判明。先述の通り17は梓を寓意するので4は先輩の意味。ここからも先述の通りこのコネクションルームは梓の世界と4人の部室を象徴しており「4人と1人の関係性」という物語の構造がうかがえる

【ロンドンの夜景】ロンドン市街の夜の照明のほとんどはオレンジ光。ケバいネオンのカラフルな光はまず見当たらず、遠くの明かりまで見える

【スカボロー・フェア2】澪の写真に登場するブレた植物の鞘がふたつ目のハーブ「セージ」の特徴を持っている

【飴の道標2】キーアイテム。今度の道標には中身がある。その通りに、梓は先輩たちの部室で唯につかまる

【唯と梓の追いかけっこ1】一瞬のカットだが、ドアをあける度に律の表情が変わっていくことに注目。最後は呆れたジト目w

【唯と梓の追いかけっこ2】反時計回りで過去への回転。部室を寓意する律たちの青い部屋で梓が唯に発見されることから、概念的に梓が先輩たちの過去に存在する者、過去を共有する者として受容されたことを描いている

【主役交代】追いかけっこをもって梓と4人の過去の共有は果たされ、梓にとっての旅の命題は終了。ここから旅の主役は梓から唯に移行する。唯と梓の朝食シーンはその主役交代を示唆する場面

【リサイクリング1】靴のリサイクルボックスがあることに注目。また川上さんのライブハウスカウンターにも、ゴミやコップのリサイクルについてのメモ、チラシがあり「再利用」ということが強調されている

【リサイクリング2】「すてない!持ち帰らない!リユースカップ返却」。前半、梓が持ち帰ろうとしたティーカップが想起される。靴もティーカップも梓絡みのアイテムであり、この再利用のメッセージはメタとして梓に向けられているように見える

【3つの予約3】3つ目。4日目のライブの出演は日本=未来とのやり取りで行われており、HTTが未来との約束で成り立つという決定的な意味を持つ。旅中の3つの予約は「彼女たちには共にあり続けようとする約束が必要」というサジェストなのだ

【飛行機雲3】右に向かう飛行機雲。未来に向かう雲であり、川上の電話=HTTの活動が彼女たちの未来と関連付けられる

【唯のセリフ】ここでロンドンが「過去」、日本が「未来」の寓意であることがはっきりと明示され、あらためてこの旅が観念上「過去への旅」の意味を持っていたことが確定する

【3つの予約4】携帯電話に入部順に飛びつき5人で発信する。これは5人でする共通の未来との約束であり、HTTが5人の未来の共有と関連付けされている象徴的場面

【未来の1日】4日目。未来に向かっていく飛行機。先述の通り1泊が唯たちの1年であるなら、この4日目は未来に当たり、日本=未来との約束で実現したこの日のライブは彼女たちの未来の姿を暗示している

【唯と梓の相似構造2】鏡に無限映しになる唯と梓。先述の通り、ふたりが似た立場にある人間であることが暗示されているのだろう

4人の靴1】このステージでは4人の靴が象徴的な意味を持つ。律澪紬の3人は学生靴。唯だけが赤いスニーカー。4人でひとりだけ違う唯は、梓への歌のことで先へ進めない「赤信号」の状態にあることが象徴されている

【楽器】このステージでの律のスネアは濃紺。ムギのキーボードはいつもの自分のキーボード

【飛行機雲4】「ギー太!」のシーンで唯の背後に映る。やはり未来に向かう雲

【ハネムーン?】s2e27が元ネタ

【飛行機雲5】「それでは、最後の曲です!」の手前のシーンで唯の横顔の背後に映る。やはり未来に向かう雲

【ごはんはおかず】右へ飛ぶ飛行機、ビックベン、逆さ写しのロンドン・アイ(=時計回り回転になる)などが未来へ帰る時間が迫っていることを示唆する

【飛行機雲6】演奏の最後に映される夕焼けの4筋の飛行機雲と4羽の鳥。いずれも未来に向かう右向きの飛行機雲だが、行方はバラバラ。先輩たち4人の離散を連想させる不吉さがある

【紬の座席2】ムギのタクシーの座席は行きも帰りも同じだが他の3人は入れ替わっている。ここでもムギが不動の要であることが強調されているが、望んでいた初日の唯の座席には座れない=ムギは唯のポジションにはなれないのだ

【梓の座席3】梓もタクシーでは行きも帰りも同じ後列中央。4人の中心に置かれ大切にされていることが象徴的に描かれている

【梓を撮影する先輩2(律】ここで律が梓を撮影する

【4人の靴2】ここで5人の靴がハッキリ強調される。唯は梓へ贈る歌が「いつもの」自分たちの歌でいいと確信するが、朝から「いつもの」学生靴を履いていた他の3人にはとうにわかっていたことが暗示されている

【フライトシーン復路】飛行機は右に向かって飛翔する=未来への旅

【ロンドンに降る雪】白が時間的普遍性の寓意であるなら、雪はロンドン旅行という過去への旅行の魔法の解除を意味するのだろう

【スカボロー・フェア3】変化球。紅茶缶の白薔薇「イングリッシュローズ」の品種名は「ローズマリー」。これは3つめのハーブ「ローズマリー」と同じ名前

【紬の座席3】先述の通り、教室での卒業ライブの話題でも4人はムギの机の周りに集まっている。ムギは4人の要である

【卒業ライブ】s2e08で語られた通り信代の学生生活は高校で終わる。それを踏まえてライブ会場の提案者が彼女である意味を察するべき。このライブは 3-2全員の卒業ライブと言えるだろう。ただしこのライブには1名が参加していない

【さわ子の卒業ライブ】コサージュがあるので卒業式当日。反時計回りのウィンドミルが象徴するように、卒業への反逆というロックなライブの性格がわかる。さわ子は卒業しきれておらず、だからこそ掘込先生に叱られたのだ

【コサージュ】スイートピー。花言葉は「門出」

【ライブへの招待】卒業旅行と立場が逆転している。今度は梓を誘う4人が控えめで、梓との壁を意識しているが、卒業旅行で過去を共有した梓は、先輩たちのライブに参加する資格と強い意欲を持っている

【五月雨20ラブ】作中の挿入歌の多くは稲葉エミさんの作詞ナンバー

【宮本アキヨ】彼女はs2e20の学園祭ライブでHTTに興味を持った様子が描かれ、このライブでは慌てて聞きにいっている。s2e24では彼女は唯たちに言葉を贈っている

【U&I】この時点でこの曲がHTT最後のナンバーであり彼女たちの集大成。この関係性への賛歌は、3-2の彼女たちが彼女たち自身に贈る歌といえるだろう

【巻上キミ子】彼女が仏頂面?でステージを見ているのが目立つ。理由は様々に解釈の余地があるが、3-2が皆同じ価値観を持っているわけではないことがわかる。ただし、ライブ後は拍手している

【招き入れられる憂と純】s2e25、s2e22(時系列順)で描かれたように、いちごはふたりを軽音部と認識している。2年生で彼女たちだけがこの教室に入ることは、ふたりが将来的に入部する暗喩でもある

【唯と梓のユニゾン】唯はギターの師匠である梓に自分の演奏の出来栄えを見せて、梓はそれに合格を出している。ふたりを澪とムギが優しく見守っていることに注目

【どうか聞いて】この詩に唯は梓への思いを込めている。コンテによれば、ワンカット入る律は「かっこつけちゃって」と唯を見守っている

【堀込先生】さわ子たちのライブが卒業を拒否して過去を志向するものであったなら、唯たちのライブは未来へ向かうためのセレモニー。彼はそれを見抜いて許したのかもしれない

【連れ込まれる先生たち】学生と教師こそ学校生活のすべて。後輩(憂・純)と教師は完全な卒業ライブのために不可欠の存在。彼女たちだけで巣立っていくのではないというテーゼ、関係性の視点が認められる

【カメラ、ロゼッタストーン、1】和が持つ唯のカメラ、オカルト研のロゼッタストーン、ステージを降りた唯が一直線に並び、唯はオカルト研と同じサインを掲げる

【カメラ、ロゼッタストーン、唯2】つまりこの三者は同じもの。「今」の価値を未来に伝えるという同一の役目を持つ存在であることが示唆される

【梓を撮影する先輩3(唯】ステージ上の4人を眺める唯が瞬きをする。唯がカメラやロゼッタストーンと同じ存在であるならば、この瞬きはシャッター。「梓だけを1枚撮影」していることに注目

【梓を撮影する先輩4(唯】唯はここで仲間と梓たちを「撮影」し記録した。つまり、唯は彼女自身が未来に価値を携えていく「記録者」。そしてそれは後述するように梓も同じであり、本作では唯と梓は同じ存在であることが描かれている

【唯のウインドミル】背後からなので時計回りになっている。彼女たちは未来へ向かう。その姿勢はさわ子たちの卒業ライブを越えている

【渡り廊下3】光がほとんど差し込んでいないのが4人の高校時代の終わりを象徴している。この次に梓たち3人組がここに佇む場面では再び光があふれている

【唯の座席】ここで初めて4人はムギではなく唯の座席の周りに集まっている。話題は梓への歌を完成させること。唯は梓に対する要、キーパーソンであることが象徴されている。またs2e20と対比して、モラトリアムとの別れに対する彼女たちの成長が描かれてもいる

【横断歩道2】キープレイス。前半の登校シーンで唯とムギが足止めされた横断歩道。今度はふたりの前で信号が赤から青に変わり渡れる。梓に贈る歌への懸念が払拭されて、ふたりが未来へと進めるようになったことの寓意

【梓を撮影する先輩4(紬】ムギはすでに梓を撮影していたことがこの携帯電話の画像からわかる。常にブレない要w

【卓球】s2e23の卒業式前日。この後、昼食を求める購買部で梓は先輩たちにつかまる。青いラケットの純と赤いラケットの梓のスコアが3-1で止まるのは、未来に進みたくない梓の気持ちの顕れか。梓は止めた卓球の玉を手の中で反時計回りに回す

【ウインドウシェードに隠された目覚まし時計】二度寝防止のためらしい。未来に対する唯の不安の現れとも読める。朝になると目覚まし時計はいつもの位置に戻っている

【唯と憂の会話】常に支えてくれた憂への感謝を伝える唯。そして未来に抱く不安を問う。根拠がなくとも、憂の言葉に唯は無条件で安心する。強い絆で結ばれたふたりの関係性が凝縮されている

【階段】s2e24で和と別れた続きのシーン。s2e24では唯が踊り場に上がるまでが描かれている

【唯と律2】s1e01で唯のために部室のドアを開けたのは律。そしてここでも、律が唯を反対側の開いていた扉、屋上へと招き入れる。「反復」である

【屋上1】屋上が解放されて登場したのはシリーズ中s2e25のみ

【屋上2】4人が駆けていく方向は左=過去。彼女たちの3年間への思いのすべて

【屋上3】律に不安を吐露する唯。手の冷えたムギは澪と同じ存在。怯える仲間に活を入れる強さは現実主義者の律にしかなく、律のリーダー性がうかがえる

【飛行機雲7】最重要な飛行機雲。一羽の鳥と一筋の右=未来へ向かう雲。ロンドンライブでの雲の行方がバラバラだったことを照らし合わせれば、1羽の鳥=梓が彼女たちがひとつの未来を共有する鍵を握っていることを暗示している

【先輩への手紙】唯にだけは「先輩」を漢字で書いている。梓の背伸びか

【飛行機雲8・9】離れた場所で梓と4人は同じ飛行機雲を見る。5人が共にあるとき彼女たちはひとつの未来を共有する暗喩

【飛行機雲10】窓ガラスに映る雲は逆に過去へと向かう雲になる。同時に梓はおでこの傷を気にする。これはs2e24で描かれた梓の心の傷の暗喩。つまりこのワンシーン、梓は過去を思い先輩との別れに心を痛めている

【屋上4】「私達に翼をくれたのはあずにゃんなんだ」。4人が羽ばたくための翼が梓。一羽の鳥と一筋の雲の意味も判明する。梓がいてこそ4人はHTTとしてひとつの未来に進む

【キャラの名6】作中、梓は姓字が明かされない。それが唯が梓を色々に定義しようとする前フリ、仕掛けになっている。また、梓が特定個人でないことから、この唯の定義は後輩への一般論として拡大解釈することもできる

【キャラの名7】その「何者でもない梓」は「天使」と定義される。梓の姓字が登場しなかった理由がここで明かされる

【屋上5】「この曲も…」からは4人のポジショニングが最も象徴的に描かれた会話。夢想家の唯。現実主義者で夢の実現に確信のない律。5人の可能性を誰より強く信じているムギ。希望を抱く澪。異なる個性の絆

【飛行機雲11】ここで唯が見上げる飛行機雲は過去への雲であることに注目。唯はこれを手で区切って覗きこむ。前だけを見て進んできた唯が、ここでだけ、過去を振り返り時を止めたいと願い、別れの心痛を梓と共有している

【部室6】s2e24と同じシーン。TVと比較してムギと律の短いやりとりの会話だけカットされているが、監督は脳内補完してもらいたいとのこと

【さわ子の卒業証書1】初めての生徒からもらった寄せ書きを、さわ子は授与された卒業証書のようにかざす。その向こうにはs2e04、06で彼女の未熟さを知っている女の先生がいて微笑んでいる

【さわ子の卒業証書2】つまり、この場面は卒業ライブで少女時代を卒業しきれていなかったさわ子の卒業式の暗喩といえる。彼女は生徒を送り出したことで一人前の教師になり、少女時代を終えたのだ

【椅子に置かれた鞄】s2e24と同じ。卒業証書で梓の学生鞄が他の4つと隔てられている。先輩たちの鞄のキーホルダー「けいおん」は見えない

【花びらと写真】キーアイテム。花びらはs2e01で唯が渡り廊下で拾った在校時代の価値。写真もs1e01で今を記録したもの。続いて贈られる「天ふれ」の3つを、梓は先輩から継承する

【天使にふれたよ!1】4人が学生時代に培った絆という彼女たちの最高の成果、価値を後輩の梓に伝える歌。劇中においては、梓の悪夢を払拭し、飛行機雲が象徴するひとつの未来を5人が共有する"約束"(予約)である

【天使にふれたよ!2】この歌を贈られた梓もまた、唯と同じ「記録者」。先輩たちの価値を記録して未来へ伝える存在。彼女がカメラを使わないことも、鏡写しのシーンも、梓と唯が同じ存在として描かれているからだろう

【天使にふれたよ!3】つまり、唯と梓という存在もまた「反復」する存在なのだと言える

【天使にふれたよ!4】一連のシーンに4人の旅行中と同じ衣装の組み合わせは存在しない。なお、唯はどこでも旅行中の赤い靴を履いていない

【渡り廊下4】外を眺める梓の視線を純と憂が引き戻す。ふたりが高校に残る梓の居場所であることがここで暗示されている

【橋】古来「はし」は二つの場所を繋げて渡すものの呼び名(階段は古語で「きざはし」)。こちらは現在、橋の向こうは未来と解釈できる。梓の未来に4人の先輩たちが待っている。唯はいブーツを履いていることに注目。梓の白い靴との符牒(反復)がある

【歩く4人1】本作を象徴的に総括するシークエンス。4人は道を横切る3本のレンガを越えて歩き(=3年)、横断歩道(=卒業課題)を渡りきり、橋を駆けていく

【歩く4人2】つまり本作は4人が梓に贈る歌という卒業課題をクリアして、未来に駆けていくまでの物語である

【唯の飛行機1】腕を広げた唯は右向きに飛んでいく飛行機。すなわち未来へと飛ぶ飛行機。唯たちは未来へと駆けていく。その向こうに梓と和がいて、卒業した彼女たちが再び巡りあう。

【唯の飛行機2】それは天ふれでの、梓が先輩たちの元へ駆けていくシーンと立場を入れ変えた「反復」でもあり、彼女たちの繋がり続ける未来が暗示されて物語は終わる

【ED1】ヘルタースケルターは滑り台。メリーゴーランドと合わせて「回転」するもの。ただし強調されるヘルタースケルターは螺旋の滑り台。彼女たちの繰り返し「反復」は常に少しづつ違うという暗喩だろう

【ED2】澪が歩いて行く方向は映画「さらば青春の光」で主人公がモラトリアムと心中しようとした方向。過去

【ED3】白バラは純潔、無垢を意味する。白バラの園は彼女たちの少女性のモラトリアムを象徴する。つまり少女時代の寓意。映画「エコール」の影響が見られる

【ED4】ムギの赤いキーボード。寿司蘭鋳で登場したものと同じ。モラトリアムの寓意

【ED5】椅子の上の赤いりんご。楽園を追われる罪の果実か。視線を漂わす唯。誰かがこれを食べた?

【ED6】澪とムギの髪が編みこまれている。本編中ふたりが対照的に描写されていたことを踏まえてみると、対照的なふたりの絆を描いているのだろう

【ED7】リボンを解く澪。「エコール」ではリボンを解くことは花園の少女たちの楽園からの卒業を意味している

【ED8】自ら園を引き裂く澪。彼女は受動的に少女時代を卒業するのではなく、心の痛痒を越え、自覚的に大人へと進む。それは本編で4人が自らに卒業課題を課したことからも明らかな本作のテーゼ

【ED9】演奏シーン。「さらば青春の光」でモッズとロッカーズが決闘したブライトンの浜辺で、双方のトレードマークである上着を着た5人が共に演奏する。屋上のシーンが象徴したように、価値観や考え方の相違を越えた絆こそ、HTTの音楽であり本作のテーマ

【ED10】このシーンの服装がエロチックなのは、「エコール」で描かれた少女性からの卒業が即ち性的な成長であったことがインスパイアされているのではないだろうか

【ED11】澪は少女時代を象徴する白バラを棄てて走り始める。駆けていく方向は右=未来。「さらば青春の光」で自殺出来なかった主人公が失意のまま歩いて行く大人への道。しかし彼女たちは仲間とともに笑顔で駆けていく

【ED12】固く結ばれたリボン。少女時代に培われた5人の「絆」の象徴

【ED13】布にくるまる5人。これもThe WHOが元ネタ

【ED14】「さらば青春の光」のラストカットは崖から破棄され破壊されたベスパ=青春の象徴。本作のラストカットの楽器もまた青春の象徴。しかしそれは破壊されずにあり「エコール」の学園にはなかった窓が壁にはある

【ED15】それは即ち、彼女たちが青春時代に培った価値を棄てずに、窓の外=大人の世界=未来へと携えていくという寓意だろう

【スカボロー・フェア4】ふわふわ「タイム」。スカボロー・フェアに歌われる「パセリ、セージ、ローズマリー、タイム」は時間を超えた不変を願う呪文。このギミックは山田尚子監督の祈り、唯たちにかけた魔法なのだろう

【本作の総括1】本作は、少女たちが自発的、主体的、自覚的に、けじめをつけて自らの少女時代を終え、未来へと羽ばたいていく物語である

【本作の総括2】本作は、唯たちが少女時代を終えるための卒業課題を自らに課し、それを果たして卒業する物語である

【本作の総括3】本作は、唯たちが自分たちが少女時代に培った最高の価値である「絆」を、大切な唯一の後輩に託す物語である

【本作の総括4】本作は、唯たちと梓が卒業旅行で擬似的に過去を共有することで、共有していない1年間の溝を克服し、未来に渡って共にあり続ける約束を交わす物語である

【おしまい】お疲れ様でした!


テーマ : けいおん!
ジャンル : アニメ・コミック

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超記憶術先生

Author:超記憶術先生
元業界人(コミック系フリーライター)
Twitter:@SuperMnemonic

問うまい


我の深部にHTTが潜伏したる理由を


我も亦 知らぬなり


こういう管理人w

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