【私見】 「響け!ユーフォニアム」の見どころと意義について

ユーフォニアム第1話の感想はこちらの記事を
それを前提にして、自分が思う本作の展望と、作品の意義など、簡単に書き起こしておきます

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第1話感想でも展望で記述した通り、またスタッフコメントなどを見ても、本作は、やがて部がまとまって、金なり全国大会なりを目指していく話になることが推察できる。つまりスポ根もの路線というわけだ

そこで自分が注目するポイントは
「ふるい落とされる人たち」をどう描くか
「目標に向かって行くこと」をどう描くか
このふたつだ

今は時代の価値観が「全体<個人」「努力<楽しさ」「優勝や表彰、プロデビューなどの社会的成功<個人の充足感(=自己実現)」といえる。一言で言えば個人主義が支配的ということだ
努力・克己・切磋琢磨、そしてその先にある勝利、そして社会的成功(=自己実現)を唯一至上の価値とするかつてのスポ根は、80年代、90年代を通じて浸透した個人主義礼賛と、努力が必ずしも報いられるものではないという現実認識、一種の諦観が浸透したことで訴求力を失った

ところで、特に昨今の娯楽作品における「努力」の嫌われようは相当なものだ
少年ジャンプはかつてキャッチコピーに「友情・努力・勝利」を掲げていた。今も友情や団結、勝利は重んじられているが、今のジャンプの作品は、努力型でなく天才型やひょんな事で才能を得た主人公が目立つ。これはラノベではさらに顕著で、まず主人公は努力などしない。「楽して自己実現」こそ魅力的で訴求力のある主人公の姿なのだ

ちなみに、「けいおん!」はそういう時代の延長線上に登場した「部活もの」だった。「けいおん!」は、個々人の価値観をぶつけあうことや、目標のために全 体を重んじ個を棄てること、根性と努力で成功を目指すことetc…を排除した「現代的部活もの」としてできあがっていた。これは自分が2010年に「けい おん!」を総括した時にすでに指摘したことだ。しばしば「けいおん!」は唯たちが練習をしていないと批判されるが、これは誤読で、確かに唯は天才肌だが毎日ギターを練習している。練習する姿が画面に描かれていないだけで、描かれなかったのは努力を毛嫌いする視聴者のニーズを読んだに過ぎない、といえるw

しかし「ユーフォニアム」はあえて時代の価値観に逆行して「古典的部活もの」であるスポ根をやろうというのだろう。社会的な成功を至上価値として、全体がまとまり、努力し克己し切磋琢磨し、目標を目指すという物語を
それはある意味で「けいおん!」の対極にあるものを作ろうということだろう

今のところ、自分はこの作品の目指すところを上記のように理解している

だから最初にいったことがポイントなのだ
その一方で「ふるい落とされる人たち」―つまり、全体の協調や努力、成功に重きを置かない人たち。努力なんかより、全国大会や金を取ることより、自分が楽しければそれでいいじゃないかという人たち、今の世間のニーズを含む層。もっと露骨な言い方をすればそれは「けいおん!」でもある。それがどう描かれるのだろうか? 下世話な話、そこには興味があるw

そしてもっと重要な事は、一度は時代や世間に拒絶された、昔ながらのスポ根の登場人物の姿を、どう訴求力ある魅力的な存在として描写するのか、だ。社会的成功を至高とする姿や、個を殺した団結の価値や、泥臭く辛い努力の果てにある僅かな報いを、どれほど魅力的に描き出せるだろうか?
おそらく、それがこの作品の成否を握るのだろう

……とはいえ

時代状況は2009年から変化していて、「けいおん!」の後にきたアイドルアニメブームを見ると、そこには「集団」「チーム」が「社会的成功」を目指す姿が肯定的に描かれ、世間に訴求力を持っている
だからこの挑戦は京アニにとって、決して勝算のないものではないのだろう。京アニなりにポスト・アイドルアニメを模索した、その回答が「響け!ユーフォニアム」なのかも?しれない

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そんなことを思いながら、第二話以降を見ていこうと思ってます
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