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【映画読解】寿司蘭鋳での「逆回転」の解釈

46回見ました。今回は問題の寿司屋の逆回転のシーンについて一つの解釈ができたのでそのことなど
正直、複雑というか綺麗でないので自分もどうなんかなーというところなのですが、あくまで私見であって、ひとつの解釈であることを予めお断りして、話半分に読んでいただければというところですw


■ おさらい:回転と飛行機の暗喩と3泊の旅行

まずはおさらいです

映画では「回転」が重要なキーワードとして登場し、回転するアイテムや出来事が多数登場します。自分は作中に頻繁に登場しているアナログ時計(教室、駅、成田、唯の部屋等)にその解釈の手がかりがあると考え、時計回り(右回り)するものや出来事が未来と関連付けされ、反時計回り(左回り)するものや出来事が過去と関連付けされる(暗喩するもの)と解釈しました

また「飛行機」と飛行機が作り出す「飛行機雲」もキーアイテムであると解釈しました。これは劇中での唯と梓の会話が、飛行機が「タイムマシン」であり、ロンドン旅行が時間を遡る=過去への旅であることが示唆されているからです。飛行機は成田空港の標識及び離着陸のカットから、左向きの飛行機が過去へ、右向きの飛行機が未来へ向かうタイムマシンと解釈できます
飛行機がそのようなタイムマシンであるとすれば、論理的に飛行機によって作られる飛行機雲にも暗喩があり、左に流れる飛行機雲は過去と関連付けられ、右に流れる飛行機雲は未来と関連付けられます(今回の話題にはあまり関わらないですが)

というわけで、過去の記事ではこのふたつの寓意の解釈を主軸に、映画の隠れた意味を読解して行きましたが、そのまとめは過去の記事を見てくださいw

そして3泊5日の旅行についても、過去の記事で、1泊ごとが唯たちの1年間に当たるのではないか、という推測を立ててみましたが、今回の解釈ではおそらくこれが正しいように思われます

■ 逆回転する回転寿司

で、今回の本題。寿司蘭鋳の問題のシーンです

寿司蘭鋳にも「回転」に関係するものとして金魚の吊られた回転照明、店員のシャツの矢印、そして回転寿司が登場します。回転照明は唯たちの演奏が始まると時計回りに回転します。店員のシャツに書かれた矢印は反時計回りです。そして回転寿司は、板前を中心に時計回りに回転しています

ですが、ワンシーンだけ、回転寿司が逆回転しているシーンが劇中にあります
唯たちが楽器を店員に取り上げられ、法被を着るシーンです。画面手前の回転寿司は左回転をしています。そのシーンだけなぜか回転寿司のベルトが逆回転をしているのです

単純に見るとこれは製作上のミスと解釈すべきなのでしょうが、今回、自分はこれはそうではなく、作為的な演出であると読解しました。以下にその解釈と論拠を挙げていきます

■ おさらい:時間の矯正と「現在」の再設定

で、ここでまたおさらいです。ロンドン旅行とはなにか
過去の作品読解では、ロンドン旅行は過去を共有していない(1年のズレがある)4人の先輩と梓が過去を共有し、ギャップを埋めるための過去への旅でありイベントである、と結論づけました

その過程を詳細に見ていくと、左向きの飛行機=過去へのタイムマシンで出発し、時計回りに回転してから左へとフライトする(口実が卒業旅行なので、未来経由過去行きとなるのだろう)、ヒースローにつくとまず動く歩道の背景にロンドン・アイのイラストがある(ロンドン・アイは作中で反時計回りに回転している)、荷物のベルトコンベアが反時計回りに回転している…と、ロンドンは「過去」の場所であることが強調されています

この後、梓が靴擦れをうったえるイベントが発生し、靴を現地調達することでそのトラブルが解消します
つまり、時間のズレを持っていた梓が先輩たちの時間と一緒に歩ける靴を手に入れたわけです

その直後、回転寿司の看板を見つけてから5人が話すシーンでは、飛行機の看板が地面を指しています。飛行機が左でも右でもなく「ここ」を指していることから、梓が先輩と同じ時間を歩けるようになったこの時が時間の基準点「現在」になったことが分かります

以上までは過去に解釈をしたとおりです
寿司蘭鋳のイベントはまさにこの後起こるわけです

■ 幻のライブと時間のリロード

寿司蘭鋳に入店した時の5人は「ロンドンという過去の時間の中で、一緒に歩ける時間を現在として"生き直している"」と言えます
その中でライブをやるイベントにぶつかる
寿司蘭鋳のスタッフのシャツから、ここが過去の場所であることがわかります

ここからややこしい説明になりますが…

過去の記事で3泊の旅行であることから1泊ごとが過去の1年に対応しているのではないかと指摘しましたが、寿司蘭鋳での出来事は唯たちの1年目に当たる。ですが、現実には唯たちの1年目には、梓と一緒にライブを行うことはできなかったわけです
つまり過去を生き直しているとはいえ、このライブは現実の過去にはなかった幻のライブなのだと思います。それを裏付けるように、このライブは本来は唯たちのライブではなく、ラブクライシスのライブだったものを唯たちがやってしまったものなのです

その、ありえない(過去にありえなかった)ライブが成立するために、あの「時間の逆回転」が必要なのではないか?というのが今回の気付きです

おそらくあの逆回転は「時間のリロード」というか、時間のネジを巻き戻すような意味があって、その巻き戻した分の「存在しなかった時間」だけ、あの幻のライブが成立する…ということではないかと思うのです

■ 旅行が3年間の繰り返しであること

過去の記事でも書きましたが、この映画は「繰り返し」がキーファクターになっていると思われるので、おそらくロンドン旅行それ自体も唯たちの3年間の繰り返しなのだろうと思われます

過去の記事のおさらいですが、2泊目の夜に例の唯と梓の追いかけっこがある。この解釈については過去の記事にあるように、ロンドンでの部室にあたる律たちの部屋で梓が唯に反時計回りの追いかけっこの末に捕まる、ということから、梓が先輩たちの過去に受容される、という意味があると解釈しています。これを以って梓と先輩たちは過去を共有するわけですが、2年目は奇しくも梓が入部した年に一致し、過去の出来事をなぞっています

3泊目は、唯がひたすら梓に送る歌を考えています。これは今現在置かれている3年生の唯の立場と一致しており、やはり現実の出来事をなぞっています

ここから考えたほうが逆回転が入る意味がわかりやすいかも知れません
唯たちの1年目をなぞる上で、5人のライブというありえなかったイベントをねじ込むために、あの逆回転によって生まれる「存在しなかった時空間」が必要だったのではないか?ということです

■ 未来と約束したライブと不確定性

で。それでは、寿司蘭鋳と同じくロンドンという過去で行われるテムズ川でのライブはどう解釈されるのかということですが…これも過去の記事の解釈の通りで変更はありません

以下おさらいですが、4日目のライブは作中で唯が言っていたように、日本にいる川上さんからのメール=未来からの招待を受けて成立するライブです。それもその参加を「放課後ティータイム」の5人で決めている(律の川上さんへの返信メールには「謹んでお受けします。放課後ティータイム」とある)。つまりあれは5人の合意と未来との契約のもとで成立している、彼女たちの未来を暗喩するライブと言えます。これが4日目(すなわち未来)に行われるのも偶然ではないはずです

すると、唯のあの「きっとお寿司屋さんのときのようなことにはならないよ」というセリフに意味が通ります
寿司蘭鋳でのライブは彼女たちのライブではなかったために、何ら得るものはなかった。でも今度のライブは彼女たちのために用意された彼女たちのライブなわけです。そしてこのライブによって唯たちは「いつもの自分たちの曲でいいんだ」というブレイクスルーを得るわけです

しかし同時にあれもまた幻のライブであって、確約された未来ではない
そのことを象徴しているのが最後に映る4筋の飛行機雲と4羽の鳥だと思うのです。彼女たちが同じひとつの未来を共有するには、もうひとつの翼=梓が必要なのだということが、帰国してからのシークエンスで描かれていると、自分はそのように解釈します

■ というわけで…

今回はあの寿司屋の逆回転をこのように解釈してみましたw
はっきり言ってあれは正直なところ、ミスなのか作為なのかわかりません。ですが作為だったとして、どういう意味があるのか、というところを考え、こういう解釈になりました

従来の解釈をブレることなく、隙間にほぼスポッと組み込まれた感じがします
でもあれがBDで直ってたら、この記事の逆回転の解釈は間違い!!ってことで、その時は笑って許してくださいw


■ 追記

でまあ、実は第5弾のポストカードを見た時から気になってたんですが
映画本編と比べると、唯を挟んで和と梓の立ち位置が逆なような…いいや、細かいことは気にしないw

テーマ : けいおん!
ジャンル : アニメ・コミック

No title

>トンボさん
3泊=3年は「3」という符合からの推測なのでそれ以外の根拠はないのですが、なくもないように思うので。この辺は監督に聞かないと(笑)わからないですね
あ、唯のセリフは「どのへんまで」でした。訂正しておきます

No title

>超記憶術先生
返信を下さりありがとうございます。
とても刺激になり楽しいです。

カレーのちライスの逆回転は、きっと私の勘違いです。
あやふやなことを言ってしまいすみません。

一連の考察を拝見し、
3泊=3年の3段構造、または、未来をプラスした4段構造は、
きっと意図されていると私も思います。

まさに、繰り返しですよね。
旅行前の学校での3日間や、4回のライブにも、
その構造が形を変えつつ反映されているような気もしています。

1/4の音ズレを合わせることについてなのですが、
テレビ版の話数から、あれは梓が他の4人との時間を
埋める行為なのではないかと考えてみました。

テレビ版の話数は、第1期・第2期あわせて、
本編36話、番外編を含めると41話となっています。

これらをそれぞれ1:4に分けてみます。

すると、本編36話の場合、ぴったりと整数では分けられないのですが、
s1#01~s1#07とs1#08~s2#24で区切るのが自然かと思います。

また、全編41話の場合、こちらもぴったりと分けられないのですが、
s1#01~s1#08とs1#09~s2#27で区切るのが自然かと思います。

梓が入部したのはs1#08のラスト、
部活動を始めたのはs1#09なので、
s1#01~s1#07または#08まで、梓のいない空白期間=ズレとなり、
1:4の1の期間に対応しています。

寿司屋の逆回転によって時間が戻り幻の1年目が始まったけれども、
梓だけが、この話数分ズレてしまっていて、
これを埋めるためのチューニングだったのではないかと思いました。

本編36話を1/4にした場合は、9話分となるので、
これは、s1#01~s1#09に相当し、
梓のいない期間におおよそのところ対応しています。

どの計算式もピッタリはまらないのですがw、
どれを使っても梓の空白期間におおよそ当てはまるのではないかと思いました。

個人的には、
切り捨てることをよしとしないリサイクリングオンリーの精神から、全編41話を、
梓と他の4人の距離感を示す1:4で分けたのだと思っています。

逆回転について、私も作為だと感じています。
たしかに、正解はまだ分かりませんが、
少なくとも、そのように解釈していろいろ思いを巡らせる方が
楽しいというのも理由のひとつです。
やはり、せっかくの名作なので楽しみたいと思いましてw

長々とすみませんでした。

No title

>トンボさん
コメントありがとございます

3泊=3年というのは、飛行機で唯が言いかけた「どれだけ(時間が戻るの?)…」というセリフの答えにもなるので、あるんじゃないかと思っています。また映画全体にある「出来事の繰り返し」というテーマにも沿うので。その流れからすると1泊目=1年目に5人のライブがあるのは本来ありえなかった出来事なので、それに対する時間の補正が必要で、それがあの逆回転ではないかということです

カレーのちライスの中には逆回転はなかったと思います
寿司屋でのライブは、過去にも指摘しましたが、梓が1/4音ズレている→唯に合わせる、というのもなにか意味がありそうで、やはりあのライブになにかしかの作為の存在はあるような感覚が否めないんです。あれがミスかどうかまで最終判断は保留するほかはないのですが、この記事は作為であるとしたとしての読解の仮説ということです

キーボードの色の意図はわかりませんが、今日はあれがEDのそれと同じかどうか再確認するつもりでいます(自分が見る限り違う…)。ポストカードのは逆です

No title

とても整合的ですね!

1日目=1年目
2日目=2年目
3日目=3年目
4日目=未来

の構図が美しいです。

きっと、逆回転に意味はありますっ!!w

ムギのキーボードがいつもと違うのも、
寿司屋ライブの「存在しなかった時間」を
補強するためかもしれないと思いはじめました。

キーボードが赤い色=梓の学年なのは、
現実の1年目における梓の不在と、
幻の1年目における梓の存在をつなぐためかもしれません。

また、これは私の記憶違いかもしれませんが、
たしか、『カレーのちライス』の演奏中も逆回転ショットが挟まっていませんでしたか。
記憶違いの可能性も高く自信はないのですが、
とにかく、私も、「作為」の逆回転に1票です!w

あと、ポストカードの2人は逆位置になってるんですか。
ちょっと萎えましたw
(いやでもこれにも作為が・・・w)

No title

コメントありがとございます

>プリズナーNo.6さん
あの逆回転は12月の時点で気づいていたんですが、これまではミスとして無視してきました
ただ、ずっとただのミスとしてスルーするには引っかかっていたので、作為的なものとして理解した時に、自分の中で落とし所を模索してこういう解釈になったというところです

回転に対する反応が、変化に対する反応というのはあるのかも知れません。その意味で澪とムギで好対照なのが個性が現れていて面白いですw

>くまさん
BD発売まで待ち遠しいですね。上映が終わってしまったら余計にそう思うだろうと思います

No title

どっかに鏡が置いてあって、その中のを映してたんならありえないことでもなく演出として成り立つ・・・とかだったりして
ないかw

いよいよもうあと数えるほども観れないんですねー
BD早く出て欲しいですね・・・

No title

間違いかもしれないけど、こうやって好きな作品をあれこれ考察したりするのは
楽しいですね。そらにしても本当に細かいところまで観ているんですね。

よくよく考えてみると荷物の一件以降、澪が回るものに怯えるのも意味深ですね。
変化に対する怯え・・・とか。

No title

>atomさん
コメントありがとございます
自分も作画ミスという解釈が自然だとは思うのですが、あのシーンはわざわざ手前のお客さんが寿司を取る動きをしていて、ただのミスではない可能性もあって、現時点ではどちらとも解釈しかねます
豆コンテがあればもうちょっとなにか手がかりがあるかもしれないんですが、自分にはないのでわかりませんw

No title

寿司屋の逆回転は単なる作画ミスという説を推します。
けいおん!では本来ありえないことは描いてきませんでしたから…

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