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【映画考察】 寿司屋の赤いキーボードの意味を考える

52回目を観てきました。今回のテーマはかねてから疑問だった寿司屋ライブでの赤いキーボードの寓意です
観劇前にある程度の考察を立ててからその確認と検証のつもりで見たのですが、どんなものだろうというところで、ひとまず現時点での考察を、思索の順を追ってまとめておこうと思います

前回、蘭鋳寿司での逆回転について考察しましたが、これはそれと関連する記事です

■ 寿司屋の赤いキーボード

なぜあの赤いキーボードに寓意を認めなければならないか
それはこれがEDでも登場しているキーボードだからです。このことは冬コミで発売された京アニコレクションプレミアムのEDの豆コンテにもEDのキーボードは寿司屋のものであることが明記されています

なぜ白薔薇の園での楽器はKORGのキーボードではなかったのか?
あの蘭鋳寿司のキーボードには特別な意味があるのか?

今回の考察はそういうところから始まっています

■ 本編、ED、どちらの寓意なのか

で、まず考えられる疑問は、キーボードに何かしらの寓意があるとして、それは本編の文脈から読み取れる寓意がEDに反映されているのか、それとも逆にEDでの寓意が本編に反映されているのか、ということなのですが、これはとりあえず保留して、まずそれぞれの文脈からどう読めるのかを考えてみることにしました

■ 本編における赤いキーボードの意味

前回の蘭鋳寿司での考察に記述したように、あの店でのライブは本来は唯たちのライブではなく、ラブクライシスのライブを代替でやらされたものです。ゆえにあのキーボードはムギの抗議を受けて店側が用意したものです

その意味を汲むには、遡って「寿司屋のステージにムギのキーボードがない」ということに至るそれまでの流れを見る必要があります

ロンドン旅行に楽器を持ってくる流れはこうでした
まず、待ち合わせの駅に律(スティック)と澪(エリザベス)が楽器を持ってきている。そこに唯(ギー太)が到着して、律「まったく、澪も唯も…」唯「え?」そこに梓(むったん)が現れ、律「梓もか…ムスタング、持ってきたんだな」梓「まよったんですけど、唯先輩は絶対持ってくると思って…やっぱり」そこに澪が現れ「やっぱり…」となるわけです。つまりこの4人では楽器を持ってくるのはそれぞれ独立的に判断されたことで、言外の合意だった。そしてムギとの待ち合わせの駅に行きます
楽器を持っているみんなを見たムギは「あーっ!ずるい!私も持ってくればよかったー!」と不平と悔しさをにじませます。つまり、ムギだけがこのとき、4人の言外の合意に参加出来なかったわけです

そして、蘭鋳寿司のステージに自分が弾くべきキーボードがないことを見たムギは俄然怒りを露わにします。「なんてこと!」つかつかとスタッフに歩み寄り、足を一発カッと鳴らして「エクスキューズミー!」。唯「ムギちゃん、お寿司食べに来ただけだよっていってくれたんだね」律「持つべきものはムギだな…って違うじゃん!」と、ここでステージに赤いキーボードが持ち込まれます。満足気な笑顔でステップを踏んで帰ってきたムギは律に「だってなかったんだもの」とひとこと。その後の律の奮闘と敗北にもムギは特に反応をみせません。彼女的には、みんなと一緒であるならあとはもうそれでいいのでしょう。その辺はテレビシリーズから一貫した彼女の個性です

この流れを見ると、あの赤いキーボードには、少なくともムギにとっては他の4人と共にあるつながり、いわば絆の象徴としての意味があると解釈できます
すると、蘭鋳寿司でのイベントを経て、ロンドン・アイを見たムギが「回ってる」とぷぷっと喜ぶのも、またその後に怯える澪に対して「大丈夫だよ。"みんな"ついてるから」と言うのもわかる気がします

■ EDにおける赤いキーボードの意味


一方、EDにおける解釈ですが
ED自体の解釈は過去の記事で行いましたが、要約すれば白薔薇の園は白薔薇の花言葉(純潔、無垢等)に象徴される少女時代の象徴であり、そこからの訣別、脱却と成長を寓意するものであると結論しています

ここにムギの使用楽器として赤いキーボードがあります。KORGのものではありません。ちなみに律のドラムもEDでのみ登場する白いドラムですが、これは白薔薇の園だけでなく、(成長した)彼女たちが浜辺で歌うシーンでも使用されています。浜辺で歌うシーンのムギのキーボードはいつものKORGのものです

よって、もしこれまでのEDの解釈に乗っ取るのであれば、あの赤いキーボードには少女性、彼女たちが卒業する少女時代という過去の寓意があることになります

■ 鶏卵の問題

では振り返って、本編の寓意が先にあってEDに反映されているのか、それともEDの寓意が先にあって本編に反映されるべきなのか、という話なのですが、どうも素直に読むと、EDのそれが本編に持ち込まれている感じがします。なぜならEDでの彼女たちの絆は、あの彼女たちの腕を固く結ぶピンクの紐のカットに象徴されるだろうからです。意味が重なるものをわざわざ本編から持ち込むとは思われません

さらにいうと、蘭鋳寿司の反時計回りの矢印のスタッフTシャツを見る限り、あの店は過去とつながる場所、ということになります。ですから、あの店が彼女たちが卒業すべき少女性(過去)を象徴する赤いキーボードを用意した、という解釈には筋が通ります
そしてこの解釈は、かといって先の本編の寓意を否定するものでもないので、おそらく、彼女たちの少女性、ムギと4人の絆の象徴という双方の意味を持ったアイテムなのだ、と解釈するのが一番妥当であるように思われます

■ 律のドラムの問題

ですが、蘭鋳寿司が用意したもう一つの楽器があります。律のドラムです

律が使用するドラムは律が持っているもの以外に、作中に3つ登場します。ひとつは蘭鋳寿司が用意したオレンジ色のドラムA。2つ目はテムズ川ライブでの青のグラデーションのドラムB。3つ目はEDの純白のドラムCです
ですが自分が注目するのはスネアドラムです。なぜならスネアドラムの色は奇妙な個性を持っているからです。実は、ドラムAのスネアの色は全体が赤。そしてドラムBのスネアの色は全体が青です(ドラムCのスネアは白…のはず。確認中)

この赤と青という色は、いうまでもなく2年と3年のリボンの色を連想させるものであり、純と梓の卓球ラケットの色として作中に登場する組み合わせです(唯と澪に関連付けるのはさすがに無理がありそう…)。そしてドラムA…つまり蘭鋳寿司が用意したスネアドラムがムギのキーボードと同じ赤色という符牒には、やはり何らかの作為の存在を感じないわけにはいきません。またこのムギと律のふたりは、演奏直後に回転する照明の金魚を見て、同じ反応(笑う)をしているという符牒もあります

ここでやはり一つの疑問を抱くわけです。「なぜ赤色なのか?」

■ 赤色の意味~赤=モラトリアム、なのか?

先述したように、赤と青という組み合わせには制服のリボンを連想するのが自然でしょう
すると赤いリボンが印象的に登場するシーンがあります。梓の夢に登場する唯のリボンです

あの違和感を感じる姿は、梓が思い込んでいる「留年した唯」の設定から生まれた夢想ですが、過去の解釈に則るならば、あの夢の終わり方(唯が「もう先輩じゃないんだよ」と言いながら部室から去る)は梓にとって近い未来に唯との関係性が見失われる不安の裏返しです。ならばあの留年した唯は、梓が先輩と一緒にいられる状態が続けばいいという願いの裏返しといえます

よってあのリボンの色、赤い色には「モラトリアム」の意味がある、ということが出来るのでは?というのが現時点での推察です

これは上記した、赤いキーボードの持つ少女性、あるいは過去とのつながりという解釈や、白薔薇の園の解釈とも矛盾しません。蘭鋳寿司が用意したキーボードとスネアが共に赤いのは、それが彼女たちが佇んでいた少女時代のモラトリアムを象徴するものだから、ということができます。これは前回、またその以前の解釈でした、1泊=1年という解釈とも整合します。唯たちの1年目、第一期シリーズは、彼女たちのモラトリアムを描いた作品でしたし、またその時代でした

ところで、反時計回りに回るロンドン・アイにも赤いゴンドラがありますが、これは実際にあるもののようです

解釈を踏まえると、おそらくあの蘭鋳寿司でのライブは、彼女たちのモラトリアムの時代のライブを象徴するものであり、その後のテムズ川でのライブは以前の解釈でしたように、彼女たちの未来を象徴するライブで、このふたつは対比構造なのではないか?と考察されます
いずれにしても、過去にも未来にも彼女たち5人を繋ぐものとして音楽がある、ということは言えそうです

■ 過去のライブと未来のライブ

キーボードの件はそれで終わったわけですが…

では、ドラムBのスネアの青色はなんなのか、ということになりますが、これは当然に唯たち4人のリボンの色と関連付けられるため、現在とのつながりを想起させます
ですが、過去の解釈ではテムズ川のライブは未来とのつながりの強いライブなので、ここで整合がとれません

なぜドラムBのスネアが青であるのか、この青という色をどう解釈すべきか、という点については今後の課題です

ドラム本体の青とクリーム(白)のグラデーションを踏まえると、あるいはこのライブは少女期の脱却という、これまでの過去(高校時代)と現在(卒業という近未来)との過渡期であるのかもしれませんが、なんか綺麗じゃない…どこかうまくないのかもしれません

● 余談1)梓の靴が白であること


余談。梓がカムデンで買う靴の色が白。この白はEDとの関連があるかも知れません
つまり白薔薇の花言葉から連想される白であり、過去、純潔性といったものの意味を持っていて、やはりこれまでの解釈通り、彼女が先輩たちと同じ過去の時間を共有する、という意味を持っていると思われます

● 余談2)なんでいっぱいなんだろう?

余談。テムズ川ライブには、その朝にムギが自分のKORGのキーボードを調達するわけですが、この時こういう会話がされています。ムギ「だってみんな持ってきてたんだもの」唯「いっぱいそろって嬉しいね!」
ちょっとひっかかってるのは、唯の「いっぱい」。なぜ「全部」とか「みんな」ではなく「いっぱい」という言い方なのか? 「いちばんいっぱい」という主題歌とも関係あるんでしょうか? まあそりゃムギにとってはKORGのキーボードが一番でしょうが…ささいなことですが、いつもささやかな違和感を感じるセリフです

■ というわけで…

以上がキーボードに関する現時点の考察です
これは今後も何度か映画を見て解釈を考えていきたいと思っている部分で、自分にとっても、あくまで「現時点での」認識とご留意ください

今後の観劇の上でなにかの参考になれば幸いです


■ 追記(3/4 13:20)

53回目を見ました。やはりEDの律のドラムのスネアは白でした
それとドラムBのスネアの青は藍色に近く、これはどうも純が使っている卓球のラケットの色と同じに見えます
蘭鋳寿司のライブにおいて、赤い楽器はムギ、律のスネア以外に梓のむったんがあるわけで、赤はそのつながりから来ている可能性もあります
また、梓の夢のなかに登場するケーキには青いリボンがあります。これにも何かしらの意味が認められるかも知れません

この記事とは関係ないですが、さわちゃんが色紙を掲げるシーンは卒業証書のようで、多分それを意識したんだろうなと感じました。この時のさわちゃんを見る先生がs2e04、e06で登場した先生で、さわちゃんを見守っていた(というか…)先生なのも、おそらくその意味があるんでしょう

■ 追記(3/5 21:10&21:20)

テレビシリーズを確認しました。映画EDの律の白いドラムは、第二期のEDでも使われているドラムです(Listen、NTY共に)
EDは将来プロデビューした仮定でのPVというコンセプトで作られている映像ですから、あの白いドラムは、律がプロデビューした際に将来的に使うドラムという設定であるようです
ですから映画EDのドラムが白い色であることは、単にテレビシリーズの設定をひっぱってきたに過ぎず、特に意味はないと考えられます
改めて、律のスネアドラムの赤と青の色については考察を加えなければならないでしょう

あと備考ですが、テムズ川ライブでさわちゃんが用意したJLNinjaの衣装は、和が着た赤と憂が着た黄色は色違いですが、純が着た青は色の配置が違います。他の2着は縁の部分が黒で布地の部分が色ですが、青の衣装は縁の部分が青で、布地の部分は黒です。以前から気づいていて毎回不思議に思って見てるところですが、この辺も青という色が特別扱いされている…と思えなくもあったりなかったり。でも、そこまでくるとこじつけかという気もしますので、これは備考まで

テーマ : けいおん!
ジャンル : アニメ・コミック

No title

>atomさん
コメントありがとうございます
EDの白バラのところでなぜ律のドラムが白なのか、ということですよね?
正直わからないとことです。なぜムギのキーボードだけを本編から持ってきたのかという…正直わからないところです
やっぱり本編でムギだけがキーボードを持って来なかったことに意図があったのかも知れません。それを解けたらわかるのかもしれませんね

EDのスネアドラム

 ムギの赤いキーボードの意味ははっきりしましたが、律のドラムの色が、今までのEDと同じ白ドラムであることはどう考えればいいのでしょうか。
 ムギと同じく、寿司屋で使った赤い楽器でいいのではないかと思うんですが……
 初めムギだけ楽器を持ってこなかったことと関係してるのでしょうか?

No title

>myc894さん
ご指摘ありがとうございます。次回鑑賞で再確認します

立て続けの上、細かいところでの質問で恐縮ですが

No thank you!に出てくるスネアは胴の中央部に曲げ加工がしてあり、縦の線が映りこんでいるので、まず間違いなく金属製だと思われます。映画のスネアも銀色っぽい感じはありましたでしょうか?純粋な白だとすると、もしかすると同一のものではない可能性も考えられますが・・・。
忙しすぎて映画観に行けてないのですみません・・・。

No title

>myc894さん
とりあえず現時点ではこの考察は保留しつつ思考中です。特にまだ表記出来るほど思索がまとまっていませんのでノーコメントですいませんw ひとつだけ。寿司屋の法被が青いのもあるいは意味がありそうです

本当にスネアにはやられました…

追記を拝読

藍色、ですか・・・うーん。ムギのTRITONは紺色だし・・・とりあえず確認しないと。
赤と青が何らかの対比を表しているのはわかってきましたが、それに制服のタイの色も含まれているのかが何とも微妙な感じですね。もし含まれているなら実にわかりやすいんですが。
なお、スネアと他の太鼓の色は違うのが一般的です(だから自分は全く気に留めなかった)。高校編で購入したような廉価なセットでもない限り、スネアは別扱いで導入するのが普通で、ライブハウス等では大抵の人がMyスネアを持ち込みます。それを踏まえて仕掛けを施したとすれば、流石としか言いようがないですねw

No title

コメントありがとうございます

>プリズナーNo.6さん
ムギは基本的にみんなと違う扱いを受けることにストレスを感じる子なので、蘭鋳寿司のステージを見たときは真っ先に怒ったわけですねw
この作品ってたしかにブレードランナーみたいなカルト映画としての楽しみ方もできるので面白いですw

>myc894さん
スネアの色が他のドラムと違うことに昨日の鑑賞で気付いて驚きました。色にまで意味があるとは思いませんでしたが、赤と青の組み合わせが卓球以外にあるとなるとやはり気になります

No title

実に興味深い考察です。
最初に『赤いキーボード』ありきであれば、この機種が選ばれたのも納得がいきます。多くのキーボード奏者は、「赤いキーボード」と言われれば真っ先にこの機種を思い浮かべるはずです(サウンド・ビジュアル両面で非常に特徴的であるため)。
スネアとリボンのカラーの対比も興味深いです。ちなみにドラムBですが、カラーリングから考えるにYAMAHA最高級機種のPHXである可能性が高く、ヨーロッパでは物凄~く高価なはずですw
う~ん・・・もう一回くらい観ておこうかな・・・。

No title

ああ、そうか!それで寿司屋の一件でムギがあんなにおこってたのか。
たしかに第一期のころからそういう子でしたね。ここのけいおん!の考察
大変面白いです。むかし、『ブレード・ランナー』や『メトロポリス』のビデオを
止めたりしながらあれこれ考察みたいなことをしていたことを思い出します。

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