【映画読解】 74回 卒業ライブとラストシーンについて考察補足

74回見ました。今回は、59回見た時の感想と、62回見た時の感想の記事のそれぞれ補足を2点です


■ ラストシークエンスが、唯たちの3年間の象徴であること
  <59回感想:「赤と青と横断歩道と橋の途中」補足>
 
まずおさらいですが、作中に登場する「赤色」「青色」にはリボンの色から、それぞれ「2年生・梓」「3年生・唯たち」という暗喩があり、また「止まる/モラトリアム」「進む/前向き、未来志向」という暗喩があると考えられます

後者は作中登場する踏切や信号機から意味付けられるもので、決定的な論拠となるのは、冒頭の赤信号で止まる唯とムギ、卒業ライブの後で赤信号が青信号に変わって唯とムギが横断歩道を渡る、というふたつのシーンです。前者の段階では、梓へのプレゼントの内容すら決まっておらず、唯たち3年生4人には卒業までに終えるべきいくつかの課題がありました。だから「唯とムギは赤信号で足止めされている」。ですが、後者の卒業ライブを終えた後のシーンでは、彼女たちに残る課題は梓に送る歌を完成させることだけであり、それもすでに目処が付いている。よって「唯とムギが渡る横断歩道の赤信号が青信号に変わる」わけです
(なお、ここで律と澪ではなく、唯とムギがピックアップされているのは、ふたりがHTTの思想的な主軸、柱となる存在だからだと思われます。それは、3-2の教室のシーンにおいて、卒業旅行と卒業ライブについて語るために4人が集まるのがムギの机であり、梓への歌のために集まるのが唯の机であることに象徴されます。HTTの楽しもうとする活動の中心には、常にブレないムギの存在があり、梓へのアクションの中心には梓を誰よりもかわいがっている唯の存在があるからです

これを踏まえた上での歩く4人の足のアップから入るラストのシークエンス。彼女たちが渡っていく橋の手前にまさに横断歩道があります。唯とムギのシーンに出てきた横断歩道の変化を踏まえれば、彼女たち4人が高校生活で終わらせるべき全ての課題を終えた今、このラストシークエンスの横断歩道は、決して赤信号ではなく、青信号であるわけです。唯が後ろ向きに横断歩道を渡っていても全然不安ではないのですw
ここまでが過去の記事の大雑把なまとめ

で、あのシークエンスはラストなので浸ってしまい、いつも思考停止してみてしまうのですが、今回にしてようやく、彼女たちが横断歩道にたどり着くまでの道に、道を横切る路上の縁石の線が3本出てくることに気づきました。73回目の時に、「もしかしてこれ3本でてくるんじゃね?」と思って74回目を見たら、まさにそうでしたw もしかしたら、最後のシークエンスで、彼女たちの3年間と卒業(横断歩道)、次の場所への飛躍(橋の上)を象徴させたのかもしれません


■ 卒業ライブ:唯もまた記録者であろうとしたこと
  「62回目 今日の気づき」補足>

まずおさらいですが、教室での卒業ライブに、オカルト研が持ち込むロゼッタストーンについては、さら過去の記事でオカルト研にとっての呪術的意味合いとして、また制作側の意図するところとして、卒業ライブを石版に焼き付けている、レコーダー、カメラとしての意味があるのではないかと推察しました

で、ここからが今回の記事ですが

あのライブで、U&Iの最後の伴奏になったとき、唯がステージの下から視線をステージ上の仲間たちに向けていると思われるシーンが入ります。唯のアップなので目の動きと表情からそう推察するほかはないのですが、あの演出について、自分はきっとあれは唯も記録者として、カメラのように仲間たちの卒業ライブの姿を目に焼き付けているんだと思っていました

で、今回、改めてあのシーンの流れを見ると、その正に直前、唯はオカルト研とその後ろにいる和に視線を送っていて、指で天を指す符牒をしています。これはこれまでの推察、仮説を決定づけるアクションと言えると思います

なぜならあの時、和は唯のカメラを手にして、卒業ライブの姿を記録しています。オカルト研のロゼッタストーンもきっと同じです。彼女たちと同じ符牒した唯が、ステージ上の仲間たちを見る―となれば、和、オカルト研、唯の3者は同じ事をしているのだと考えるべきです
つまり、この3者はすべて、彼女たちの青春時代の記録者なのでしょう

しかし、最後に唯は記録者ではなく、HTTに戻る。それがあのムギを誘ったジャンピングなのでしょう
客観者ではなく主体であり当事者である。それがあくまで平沢唯の立ち位置ということなのだろうと思います


今回はこんなところで

■ 追記

しかし、するとオカルト研が天を指差す先の「宇宙と交信」とは彼女たちを記録し、客観できる存在との交信ということになりますかねえ…

■ 追記(5/26)

86回見ました。唯がU&Iで仲間を眺めるシーン、瞬きを3回入れていますこれはカメラのシャッターに当たるものと考えて良いと思います。すると、唯は梓に対しては梓単体で「撮影」していることがわかります


テーマ : けいおん!
ジャンル : アニメ・コミック

No title

>セサミンさん
コメントありがとうございます
そうですね。情報量は莫大ですがテーマはシンプル。だから気軽に見ても楽しめるし、読み込もうとしても楽しめる。凄い作品だと思います。今振り返ると、最初の10回、20回は頭が思考停止していたのも当然で、情報量の多さに脳がパンクしてたんだと思いますw
自分も、この作品のファンで良かったと思いますし、掛け値なく、この作品に出会うためにオタクやってきたんだと心から思っています

改めてこの映画の情報量は恐ろしく莫大で、しかし伝えたいことはシンプルな素晴らしい作品ですね
ものすごい作品です


この作品を"超える"アニメ作品はこの先もでないのではないでしょうか?

てゆうかアニメの領域超えてますね....

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