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【たまこラブストーリー】 読解メモ 03 追補

引き続き。1日頭を冷やしたところで、03に現在の考察を追補します

もちろん、ネタバレが入っているメモなので、視聴前の方は見ないように

今回はストレートに普通の作品読解。現時点でパッと解釈が出来ている部分まで

メモがてら残しておきます
 
 
【ひなこの記憶と、たまこが手にしていた餅石の消失】


もち蔵がたまこに告白するシーンで挿入されるひなこの記憶は、たまこのPOVももち蔵のPOVも共にフィルム調で、ふたりが共有する体験、いわば原点といえる関係性でもある。ふたりの間には常にひなこの存在があったということ。つまり、ふたりはひなこに庇護される子供なのだ。おそらく、ひなこが死んだことによってその関係性は、今日まで揺るがせないものとなっていたのだろう

たまこ自身の言葉から、この時点でのたまこにとって「母親=全てを包容する存在=餅=自分の憧れ、目標」であり、彼女の異常ともいうべき"餅愛"の理由が、本質的に亡母への思慕であることが指摘できる。それらいうなれば、母親の死によって小学生時代のまま封印されてしまった強力なマザーコンプレックスだ。そして当然ながらもち蔵は、たまこにとって「餅」の持つそうした意味の重さを知っていたはずだ。彼の告白への逡巡は単に「恥ずかしい」「勇気が出ない」だけではなかったのではないか。上記した関係性(=ひなこに庇護される子供であるたまこともち蔵)を破壊することが、たまこに与える影響を恐れていたのだろう

そしてこのシーン。たまこは餅に似た石を拾う
この石が寓意するものは、「餅」つまり「母」ひなこの存在だ。ひなことたまこのつながりを前にして、やはりもち蔵は一度は告白を断念する。だがそれを乗り越えようとしたとき、たまこは飛び石から落ちそうになり、はずみで石を落とす。これはたまこの心からいっとき、母親の存在を打ち消す暗喩といえる。もち蔵はその瞬間に告白した。だからそれがもたらした一撃は(当然)強力だった。この後、たまこにとって「餅」は母ひなこではなく、もち蔵と関連付けがされてしまう。この日から翌朝にかけて、なんでもかんでも「餅」を「もち蔵」と呼んてしまうのはそういうことだ。ほとんど刷り込みであり、もち蔵はまさにクリティカルな攻撃をしたといえる(笑) この告白は紛れも無くもち蔵が「ひなこに庇護される子供」の立場を超克したということでもある

たまこの中で「餅」が母ではなく幼なじみで、告白してきた男の子と関連付けられること。まさにここから、ひなこの死によって凍結していた、たまこの自他への認識が変化し始めたのだと考える。それまでのたまこは、エゴを抑圧し、ひたすら餅=母親のようにすべてを包む存在であることを目指していた。しかし、誰も包み込むということは誰も特別でないということ。しかし恋愛は自分の気持ちに従って、誰かひとりを選ぶこと、なのだ。この後、たまこが苦戦するのはまさにそのこと。バランスポイントを知ることである
物語はこの後、たまこが自分の恋愛感情を自覚し、商店街の人々への認識を改め、母の未知の側面を知るなどのシークエンスを経てラストに向かう。言うなればそれは、たまこ自身の認識の再構築であり、周辺との関係性が変化していく、ということでもあり、さらには母と彼女の関係性が変化する、ということでもあるこの映画はたまこが自身の認識の再構築を終えて、やはり彼女も子供の立場を超克して(映画公開前のキャッチコピー通り)「一皮むける」までの話
 
してみると、たまこにとって、またもち蔵にとっても、本作はまさに"幼年期の終わり"の物語であり、男女の関係の始まりといえる
 
【補足:月と地球。火星♂と金星♀】

この映画の中に火星と金星の情報があるのは過去の記事に触れた通りで、この作品はもち蔵が火星=♂=男に、たまこが金星=♀=女になるまでの物語でもあると指摘した(ちなみに、ふたつの餅屋の間から見上げる夜空には、月の脇に火星が登場している)

一方、冒頭に登場する月と地球、引かれ合うこの本星と衛星は、作中のみどりのセリフ「たまこのまわりをぐるぐる…回り続けるだけ」が示唆することから、本星である地球がたまこ(前項を踏まえるなら、ひなこと一体化しているたまこ、であろう)、衛星である月がもち蔵になぞらえられ、つまり映画開始時点でのふたりの関係性ということができる(母星=母性の洒落もあるのだろうか?w)

もち蔵の持っている機関車の模型に「FLY-TO MARS」と書かれていることは過去の記事で指摘した通り。彼はつまり月から火星に行くわけだ。そしてたまこは母なる地球から女を象徴する星である金星になる。これも分かる話で、前項の内容とも合致する。ただ、金星と火星は地球を挟んで反対側にある第2惑星と第4惑星だ。するとふたりは反対方向にむしろ離れてしまったことになる。これはもち蔵が東京に行きふたりが遠距離恋愛になるという暗喩なのか、男女の仲の難しさを象徴しているのか…だが、引力の有効範囲は無限であるそうなので、ふたつの星もまた惹かれ合っているのは間違いない

ふたつの星は太陽の周りをぐるくる回っている(厳密に言えば、太陽を含む太陽系や銀河系そのものも回転運動をしているので、螺旋状のループを描くように移動しているのだが、そういう話はおいといてw)。中心にある太陽が寓意するものがあるのかもしれないが、ここではそのことはおいておき、とりあえず重要な事はふたつの星が同じものの周りを同じ向きに、相互に独立して回る運動をしているということ。そのことこそ、ふたりが大人になったことを象徴しているように思う


とりあえずここまで

テーマ : たまこラブストーリー
ジャンル : アニメ・コミック

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