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【たまこラブストーリー】 読解メモ 07

■ 「月」雑考

というわけで
一昨日アップした総論を自分のたまラブ論の主幹としつつ、今後は枝葉を伸ばしていく、ということをやりたいと思っているわけですが、総論はほぼすべての謎に回答ができていると思いつつ、大きな要素でありながら、ひとつ説明のつかないものがあります

それは「満月」「満ち欠けしない月」です

読解メモ04追補で仮の結論を出したテーマですが、今は別の解釈を当てることが出来る気がしますので、以下は、これをどう解釈し、先の総論につなげていくか、という作業をしようと思います

■ 映画けいおん!との対比に基づく作品構造

これは前回の記事のおさらいですが、「映画けいおん!」と「たまこラブストーリー」、このふたつの作品は、以下のようにまとめられます

 映画けいおん!
 ・「空の物語」
 ・要約……橋を渡る物語
 ・橋……主に二次元(水平方向と、せいぜい校舎の高さまで)
 ・描かれる世界……空=見渡せる限りの未来
 ・世界のルール……「時」。一方通行

 たまこラブストーリー
 ・「宇宙の物語」
 ・要約……橋を架ける物語
 ・橋……三次元(水平方向と、風船が渡す空の果てまで)
 ・描かれる世界……宇宙=すべて
 ・世界のルール……「引力」=「思い」。行って帰ってこれる

というわけで、ふたつの作品の比較で見えてくるものがあります。それは「世界を支配するルールが違う」ということです
つまり今回のテーマに即していうと、「たまこラブストーリー」の世界では、時は世界を支配していないのではないか?という指摘が出来ます

だから月は満月のまま、満ち欠けしない
そして世界を支配する「引力」によって(ここではもち蔵とたまこの思いによって)、寄ってきたりもするし、離れて隠れたりもする

なんともファンタジックな話ですが、わりと本当にそういうことなのでは、と考えています、少なくともこれなら、先の総論とつなげることができますので…。そもそもあの満ち欠けもしなかったり、現れたり消えたりする月は、科学的な説明など出来ないのですし(笑)

■ たまこまーけっとの世界論

ここでかつてたまこま最終回直前記事と、最終回感想記事を通じて、「たまこまーけっと」について論じた文章を引用します

その上で、たまことは何者かを改めて考えてみて、自分はひとつの結論を持つようになりました
それは、この作品におけるたまことは、世界観の象徴なのではないか、ということです
(中略)
つまり、この作品世界のイメージや価値観、観念、理想、テーマ、有り様の姿をそのまま、ひとりのキャラクターとして象徴しているのがたまこなのではないか。

彼女は「変わらなかった」。しかしそれは文字通りの意味ではないのです
彼女を取り巻く環境は微妙に変わっているし、彼女の認識も変わっている。変わることを考える出来事があった。ざわめきがあった。しかしそれら全てが結局は、彼女の世界の出来事の中に回収され、吸収され、何事もなかったように「変わらなかった」。いうなれば、大河に小石を投げ入れ、波紋が水の流れとともにかき消えていくように「変わらなかった」。お妃騒動のこと、そしてこの一年のこともすべて、この世界の中で起きた出来事、ひとつの記憶として、この世界の「蓄積」になった。これまでの蓄積、世界の深みが、すべてそうした些細な出来事を飲み込んで、変わらなかった
この作品は、「今」の価値を描いた「けいおん!」よりも、長いスパンの時間、広い世界の出来事に物語の焦点を置いていて、その長大さ、広大さの中で、今、その時の「変化」をただの「蓄積」として吸収していく、そういう「世界」の強靭さ、そして世界の優しさを描いていたと思います。人が生まれる前の過去から積み重ねられてきたもの、そして今も積み重ねられていくものが、全て「あなたの世界」に回収されていく、この作品は、そういう価値観で描かれていた。


かいつまんで言えば、自分はたまこまの世界観をこのように結論したわけです

・たまこは作品世界によって育まれた、世界観の象徴である
・それは餅のように、変化をすべて飲み込むような、長大な時間、広大な空間に焦点をおいた、普遍なものである

つまり、お餅のように変化を飲み込んでしまう、というのが「たまこまーけっと」の世界観だったと思うのです
そしてそれは、時間的な不変性がある世界、という言い方もできると思います

この文脈からも、たまこまーけっとでの時間的な不変性がある世界観が反映され、象徴するものがあの「満月」「満ち欠けしない月」だったのでは?という指摘が出来ます
 
■ しかし、変化が主題

しかし。だがしかしそう、「たまこラブストーリー」の主題は「変化」だったわけです
変化するための一歩を踏み出す話。公式にそのように喧伝されています

自分の記事でも、これはお餅=母親のようになることを志していたたまこが、「餅=ひなこ」から「餅=もち蔵」へと刷り込まれることで、すべての関係性を見直し、自身を再構築し、自他の関係性が変化する話である、と論じました

もしこの推論が正しければ、あのラストシーンのあとは、月は満ち欠けする=変化するものになっているのかも?しれません…いや、本当にわかんないけどね?w

■ 「月」はお餅が作られる場所なので…

どうもしっくりこないので、もうちょっと考えてみましょうw

そもそも月というのは、本作において特別な位置づけのはずなのです
そうです。日本人なら誰でも知ってるように月のうさぎはお餅つきだからです本作の重要なアイテムである「お餅」と「うさぎ山商店街」というネーミングに、「月」が介在しているのは明白です。というか商店街の看板を見ろという話なんですがw

月はこの作品世界においてその一部を構成する最重要のエレメンツのひとつであり、無くてはならないもの。お餅に縁のあるものです。また、本作において、たびたびたまこがいっているように、お餅はまるいもの、なのです
ここから、満月に餅が仮託できるということは指摘できそうです。すると前項で書いたことから

 月=お餅=ひなこ=もち蔵

という構図が浮かび上がります。すると、たまこにとってのふたつのお餅(ひなこともち蔵)と読解メモ04追補で示したように、新月(?)を挟んで登場するふたつの満月という符牒が見えてきます。つまり…

 告白の夜に、雨雲によって隠れる最初の満月は、ひなこ
 病院の夜に、輝いている満月は、もち蔵

もしかしたら、こういう意味なのかも?

物語の流れに当てはめると、たまこの中の刷り込みから消えていくひなこは、雨雲に隠れる月、というのは分かる話です。一方、病院の夜、告白をなかったことにしていい、今まで通りにしよう、とたまこに言ったもち蔵の本心が、あの輝いている月、というのも、そう無理のない解釈のように思われます

■ というわけで…

要するにやっぱりよくわからんわけですw
ふたつの方向からアプローチしてみましたが、作品の文脈に照らすと、後の方の、ふたつの月はひなこともち蔵の寓意である、という方がしっくりくる気がします。まあ、このふたつは別にぶつかる説でもないので、月が出たり消えたりする理屈は、最初の方、ということになるでしょうか
今のところはそのように解釈してみることにします

今、気にしているのは、作中に登場する「時計」です
ぱっと思い出すのは、たまこが起床する05:05頃、校舎の時計のカーテンショットから黒板にインフルエンザの文字が書かれてる場面の8:40頃、あともち蔵の部屋に6:05くらいもあったような気がするのですが、そのへんからあの月を説明できる手がかりはないかなと思ってます

テーマ : たまこラブストーリー
ジャンル : アニメ・コミック

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