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【たまこラブストーリー】 読解メモ 08

えー、今回は今までで残ってた大きな謎のもうひとつ、「磁極の話」です
これ一体何言ってんだろう?とずっと思ってたんですが、ちょっと気づいたことがあるので、総論に絡めて触れてみます

■ 「磁極」考

【"S"極同士は弾き合う】

えーと、どこから話したものか
そもそもこの磁極の例えを出したのはかんなです
どうしてもバトンが取れないたまこについて、4人の女子が集まって考える。その時かんなが磁力グローブとバトンにも磁力を持たせれば、SとNで引きつけ合ってしまうはずだ。でももし間違ってSとSにしてしまったら離れてしまう、という話をし、それを聞いたたまこが顔色を変える、というものでした(大意)

でまあ、自分は今まで、なにがS極でなにがN極なんだろう、とずーっと探していたんですが…そういうことじゃないですね?
違う極なら引き合い、同じ極は離れてしまう、というところが重要なんですね?
先のシーン、たまこはバトンのトップにもち蔵を重ねていて、彼女にとってバトンはもち蔵でもあり、それを掴み損ねるということは彼の気持ちを受け止め損ねるということなわけです…
で、S極同士は弾くということは…

そう、つまりここで言ってる磁極ってのは、同じ気持ちってことじゃないですか!なんでわからんかったんだw

好き同士になるとむしろ弾かれてしまうのではという…たまこの自分の恋心を認めることへの恐れなんだと思います。自分も相手(もち蔵)を好きになったら、弾かれあってしまうのではないか、ということで顔色を変えたわけです。つまり、「S極」というのは、「好き極」なんでしょう。因みにそれまでのたまこは「北」白川だけに「N極」ですねw

しかし、史織はたまこの本心を看破して、好きだと自覚させてしまう
たまこもS極にしてしまうわけです
(…史織さんがいかにとんでもなかったかわかるw)

だから体当たり作戦は失敗したし
店の前でもたまこはもち蔵の前から走って逃げる
あれはやっぱり同じ極が弾きあってしまったという寓意
なわけですよ

しかし、もうたまこがS(uki)極、もち蔵がS(uki)極であることは変えられない
これを避けてふたりがくっつくにはどうすればいいのか?

物語を俯瞰すれは、たまこはこの問題を、好きを自覚した日から、フェスティバルまでの間に解きます
もっといえば、みどりが餅を詰まらせたふりをしたその夜に解きます
あの夜にあったこと、それはひなこの歌を聞いたことでした。だからきっと鍵はそこにあります

【気持ちが弾き合わない方法】
 
ここでちょっと止まって、総論に立ち返りましょう
この作品は「行く橋」「帰る橋」つまりふたつの橋によって世界が輪になることがポイントです
それによって人はどこに行っても帰ってこれるし、思いも通いあうことができる。そういう世界観なわけです
ふたつの世界は、ふたつの橋で繋がることで輪になる。丸くなるわけです。「丸」ってのはこの作品世界では「お餅」の暗喩でもあるわけで、ベストの状態なわけですよ

それを磁極に照らして言うなら
ひとつの橋しかなければ、弾き合う同じ極は同じ橋を渡れない
もうひとつの橋が必要なわけです

ところでここまでに、ふたりの間に架かっている橋は何だったでしょう?
それはいつももち蔵が一方的に投げて、いつもたまこが受け止められなかった
糸電話の橋でした

…うん。これは非常に形而上的な話ですが…
つまり、もち蔵からの糸電話に対して、たまこからもち蔵に気持ちを伝える、別の…または新たな手段が必要なわけです

それが結局なんだったかというと、あの最後の糸電話なわけですねw
以下は、それはどういうことかという話です

【ひとつのアイテムでふたつの橋を架ける】

というわけで、ひなこの歌の話に行きましょう

ひなこは歌が下手です。これはTVシリーズ9話で豆大も指摘していたことであり、TVシリーズでたまこが歌の正体を9話まで判別できなかった理由でもありました。そして劇中のこの場面でも、あんこがお母さんは歌がうまくないと指摘します
でも、ひなこは自分の精一杯で、自分の歌で、自分の気持ちを豆大に返したわけです
同じ年頃だった母親が、母ではなくひとりの少女としてたまこに伝えた事こそ、たまことひなこの関係性を再構築し、たまこに勇気と自分がどうあるべきかを分からせたのでしょう
それは相手の気持ちをきちんと受け止め、自分の本心、誠実に従って、精一杯返すということだったはずです

問題はここでも返す方法です。同じ磁極(思い)は同じ橋を渡れない
ふたりの好きという思いが行き来するにはふたつの橋が必要なのです

総論で指摘したように、ひなこの豆大への歌は、思いを返す返歌です
そのひなこの思いが渡った帰る橋は、豆大の思いが渡ったテープの裏面にありました

そう、リバース
ひとつのカセットテープをリバースして表と裏を刻み、自分たちの磁力によって記録する
それによってふたりは互いの好きな気持ちを伝え合った
豆大とひなこはリバースするテープによって
ひとつのカセットテープでふたつの橋を架けたのでした


リバースと糸電話。あとはもう分かりますよね?

そう…それが看板の前のふたりの立ち位置が
回想シーンとは逆=リバースしていた理由なわけです
それでこそ、もち蔵の気持ちは上手から下手へ、たまこの気持ちは下手から上手に流れて通い合う
あるいはそのリバースは、いつもと逆にたまこが糸電話を用意した、というところから始まっているのかも知れませんが…ともあれ、総論で結論したように
一本の糸電話はあのシーンでふたつの橋になり
気持ちが通い合った
わけです
 
【なぜ風船は舞い上がるのか】

これももう、確度の高い説明が出来ます
空気より軽い気体が中に入っているから、ではなくて…
 
地球の引力=思いと反発しあう
同じ磁極の思いだから
なのでしょう
 
やはりあの風船は、糸電話によってふたりに生まれる、いろいろな思いなのだろうと思います
(好き、なのかと思いましたが、リンゴ=恋心が地球に引きつけられてる、ということはそうとも限らない? 山田監督がいうように、いろんな揺れる思い、あるいは夢、という結論になりますね)

そしてそうなら、あの風船は空を越えて、宇宙の果てまで飛んで行く
もしかしたら星になるのかもしれません
すくなくとも、たまこを金星=♀=大人の女性まで、もち蔵を火星=♂=大人の男性まで導く「飛び石のきざはし」にはなるんじゃないでしょうか

【気持ちを押し付けないという哲学】

というのが今回のお話なわけですが…

この読解において、ひとつ指摘すべきことは、本作には「好きという気持ちは一方的に押し付けるものではない」という哲学があることです。上記の構造には、恋愛にはきちんと人格のある相手がいて、相手が思いを受け止めて、相手の思いを返してくるべきだ、という思想があります

これは善良、誠実で、今一度強調すべきことだと思うのです
そして男女はそうあるべきだ、というのは
おそらく山田尚子監督の恋愛哲学なんでしょう
…多分
 
 
今回はこんなとこで。あとからちょっと加筆改訂

テーマ : たまこラブストーリー
ジャンル : アニメ・コミック

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