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けいおんの総括と、アニメシーンにおける存在意義を考えてみる

唐突ですが、思うところあって、久々に考察、というか雑考を書いてみます
 
■ 口上

相変わらずネットの言説では、けいおんについて「中身がない」だの「成長してない」だの「日常系」だの「なんでヒットしたのかわからない」だの言いたい放題で、フィギュアの首を折った某レベルに達してない監督のアニメはアンチけいおんの目的で某アニメを製作したとか(笑)、ニコ動でまど☆まぎについて評論してる連中が暗にけいおんを揶揄していたりとか、言いたい放題されてるわけです。残念なことに

しかし先のTBS社長の会見にあるように、けいおんは1決算期ですら30億近い利益を局にもたらすほどのソフトだったわけで、これほどのヒット作が単にそんな浅薄な理解で結論づけられてよいわけがない。むしろなぜそういうソフトたり得たのか、その特別さをちゃんと説明できなければ、その先を語ることはできないんじゃないかと思います

そう思って、けいおんという作品をどう評価し、アニメシーンにどういう影響をもたらしたのか、ということについて考察し総括している言説をネットで探してみると、これが意外なほど見当たらないのです。考察しているものも数ある萌えアニメの一つ程度にしか捉えていなかったり、あるいは京アニマジック的な納得をしていたりして。いやそれで納得しちゃうのはちょっと違うだろうと。これほどのヒット作なのにどうして誰も総括しないんだろう?というのがありまして、今回の記事は、じゃあ自分がどう考えているか、ブログに書いておこうと思ったわけです

とまあ、自分的には過去の記事でわりと終わってるんですけどね。同じことをまた言うだけのような気がしますがw

■ 総論

というわけで、いきなり総論ですw まとめると以下のようになります

1 ●けいおんは、90年代のエロゲブームの流れを汲み「美少女」「エロ」「記号化」の三要素を主軸に、
男性的感性によって構成された過去20年間の萌えアニメのテンプレを踏み台に、これを批判的に分析解体し、女性的感性で一般向けにパロ化、再構築した「新しい萌えアニメ」だった。言い換えれば、けいおんは従来の萌えアニメのアンチテーゼそしてオルタナティブだった

2 ●「萌えアニメ・オルタナティブ」であるけいおん!の成功は、90年代以来隆盛を極めたエロゲのDNAを持つ萌えアニメが、実はすでに消費者に飽きられていた現実を表面化させ、90~00年代の「旧い萌えアニメの覇権時代」に終止符を打った。けいおんはそのような作品として評価されるべきであり、またその功績だけでも、けいおん!はアニメ史に名を残してよい

3 ●けいおんと勝負するなら、同じ方法をとらなければならない。すなわち従来の萌えアニメを批判的に分析解体し、そのオルタナティブたろうとすることだ。またそうした作品だけを、けいおんのライバル候補と認定することができる。日常系のくくりで旧い萌えアニメとまとめてみるのはカテゴライズとして不適切であり、上記した旧い文法で作られた萌えアニメがけいおん!に対抗しうると期待するのも間違いである

4 ●09年以来、総合的なコンテンツソフトとしてけいおんに比類する深夜アニメは未だ存在しない。それはけいおんが萌えアニメの体裁をとりながらも一般向けの作りをして一般市場を開拓したからである。比類するヒット作を作るには、萌えアニメを一般向けに作れるかどうか、非現実性やオタク用語、閉鎖性を排して、萌えアニメに万人向けの普遍的な訴求力のある世界観なり物語性を打ち出せるかどうかが鍵になると思われる

以上。あとは各論を書いていくだけなのですが、自分的には蛇足という感じで、ぶっちゃけめんどくさい(笑)
当ブログの過去の記事や、過去の山田監督のインタビュー記事を見れば、1項についてはわかるんじゃないかと思います
でまあ、何が言いたいかというと、けいおんについて自分はこういう評価をしているので、口上に書いたようなネット言説のけいおん評にまるで納得がいっていないということですね

■ けいおんがなぜ一般市場への訴求力を持ち得たか

と、記事をまとめてしまってもいいのだけど、あまりにも乱暴なので(笑)、蛇足ながら前項1について補足しておきます

けいおんがなぜ萌えアニメの体裁をとりつつも、一般人への訴求力を持ち得たか。それは間違いなく山田監督の製作姿勢にある。けいおんは、山田監督が自称するように、普通の女性の感性で、従来の萌えアニメを客観的に分析し、女性の感性で作り直したものだった。つまり、いわゆる(旧来の)萌えアニメに対する視点が一般人に擦り寄っていたのだ

普通の人は萌えアニメを見て「美少女の髪の色がピンクだの青だの現実的な色じゃないなー」と思う。だから茶や黒や金系の実際にありそうな色にする。普通の人が「美少女のスカートが翻りすぎだろw」と思うからめくらせない。普通の人なら「ポーズが狙いすぎだろ」と思うから不自然なポーズはやらない…等々、けいおんは萌えアニメでありながら従来の萌えアニメに批判的な視点で作られている。かといえば「萌え萌えきゅん!」などと作中で萌えを茶化して「ネタ」にしてみたりもする。それまでの「萌え文化」を客観して作られた故意犯的な萌えアニメなのだ。だが、恋愛要素や男性キャラなど、従来の萌えアニメ支持者であるオタク受けの悪そうなネタは絶対にやらない。原作であったりっちゃんの恋愛疑惑すらとりあげなかった。オタクの支持は確保したままで、一般人の視点を持ち込んでいるところがまた狡猾(?)だった

意地悪く言うと、けいおんは萌えアニメとしてオタクを取り込みながらも、一般人の側に立って「萌えアニメって変だよなー!」と指さして笑ってるような作品だったのではないかと思う(ってひどい言い方だが)
……あるいはだからこそアンチに嫌われているのかも知れない。いや、そこまでわかってけいおんを見ているアンチなどいないか。でも、だから自分はけいおんが好きなのだけど

なんにせよ、けいおんの成功をこのように理解し、それを踏襲できなければ、けいおんに比類する作品を作ることはできない、というのが自分の結論です

■ 客観化とオルタナティブが停滞を打開する

ここまで書いてきて、勘の良い人にはわかると思うのだが、まど☆マギも従来の魔法少女モノを客観化し、分析解体してオルタナティブを提示することで成功した作品としてある。実はけいおんとまど☆マギの成功の共通点を自分はそこにあると思っている。ガンダムシリーズも何度も旧作を分析解体してリビルドするということをやっている。それによってそこそこの安定した支持を受けているわけで、新しいものを下手に作るよりは、温故知新の姿勢の方が案外安定した商売につながるのかもしれない

この記事は別にアニメの将来を考えるものではないのでこれ以上掘り下げないけれど、従来の作品を客観的に分析し、構造を解体してリビルドすることによってマンネリが打開され大ヒットするという好例がここ数年続いたわけで、そこにあるいは次のヒット作が生まれるヒントがあると思いますね

■ けいおん!の後に来たもの

09年以降、市場規模でけいおんに比類する深夜アニメコンテンツはありません。自分に言わせれば、けいおんが行った「萌えアニメ・オルタナティブ」はこの20年で最大の規模の既存概念に対するオルタナティブだったから、それは当然といえば当然なのですが
けいおんは旧い萌えアニメの覇権を終わらせた、それによっていろいろな試みがされているのが今の深夜アニメシーンだと思うわけです。「旧い萌えアニメ」は今も一定の訴求力を持っているが、それ以外の作品でもヒットができるという前例を作ったことは、けいおんが蒔いた種のひとつと言っていいでしょう
けいおんはまた、そういう作品として評価を受けてしかるべきと思うのですよ

とまあ、今日はひとまずこんなところで

テーマ : けいおん!
ジャンル : アニメ・コミック

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